竣 工 2015年11月
最寄駅 豊洲駅徒歩9分
総戸数 498戸
住 所 東京都江東区豊洲6-2-11
概 要 地上19階 地下1階 RC造
■物件名フリガナ
パークアクシストヨスキャナル
Park Axis 豊洲キャナル
■近隣周辺施設情報
ローソンS江東豊洲六丁目店まで約210m
ローソン江東豊洲五丁目店まで約650m
セブンイレブンゆりかもめ豊洲駅店まで約700m
スーパーサカガミグランルパ豊洲店まで約750m
豊洲市場まで約1100m
昭和大学江東豊洲病院まで約600m
三井住友銀行 豊洲支店まで約650m
江東区立豊洲小学校まで約1430m
豊洲公園まで約870m
東京で伝統的な郊外といえば、中央線に東海道線、そして東急や小田急や京王や西武などです。これらの郊外型通勤鉄道とそのターミナル駅が東京という街を作ってきたのですが、この永田町や赤坂や六本木あたりのエリアは郊外型通勤鉄道との相性が悪く、乗り換えなどでかなりの時間距離を取ります。東京で伝統的な郊外といえば、中央線に東海道線、そして東急や小田急や京王や西武などです。これらの郊外型通勤鉄道とそのターミナル駅が東京という街を作ってきたのですが、この永田町や赤坂や六本木あたりのエリアは郊外型通勤鉄道との相性が悪く、乗り換えなどでかなりの時間距離を取ります。さらに常に混雑している。それに比べると豊洲からの有楽町線は時間も短いし、それほど混んでいないです。赤坂や六本木といったあたりからタクシーに乗る機会の多い人には面白くなかったでしょう。しかし環状2号線の開通により、豊洲を含む湾岸エリアと港区の時間距離は大きく変わりました。ほぼ直線で移動できるこの道路は、時間距離を本来の直線距離に準じさせてくれます。港区の隣町になったという感覚でしょう。豊洲は石川島播磨の造船所の跡地を区画整理し2006年に街開きした新しい街です。そのため道路や公園がよく整備されていて、特に歩道が広いです。そのため、例えば駅から徒歩10分と言っても、ごみごみした街と比べるとその10分間の疲労感が違いますし、また子供にとっても安全です。東京駅約5km圏内という利便性に優れた立地環境でありながら、周辺は驚くほど穏やかな街並みが広がります。最寄り駅は東京メトロ有楽町線「豊洲駅」徒歩9分。他に新交通ゆりかもめ「新豊洲駅」も徒歩5分で利用可能です。東京・丸の内や銀座エリアからも近く、終電を逃してもタクシーでご帰宅頂ける距離です。
赤坂、銀座、国会議事堂、永田町、霞ヶ関、大手町等の主要ビジネスエリアへは、東京メトロでのアクセスが至便ですので毎日の通勤が楽になります。朝や帰宅時間帯は特に電車の発着本数が多く、ダイヤの乱れも気になりにくいエリアです。
買い物や外食に関してはもちろん近隣で事足りるのと、銀座・日本橋エリアが至近であらゆる用途で利便性を実感して頂けます。
銀座三越では、豊洲方面から自転車利用で買い物に来る方々のために置き場を設けているとのこと。
電車以外にも自転車や車、バイクなど様々なツールでアクティブな都市生活をお送りいただけます。
また、再開発が進む豊洲エリアには大型ショッピング施設も充実。特に「ららぽーと豊洲」は多数の物販店や飲食店が揃っています。
大容量の輸入食材を多く取り扱う大型スーパーマーケット「コストコ」もあり、ホームパーティやBBQの際に役立ちます。
豊洲エリアはタワーマンションが多く、ペット可住宅が大多数ですので、「ららぽーと」を筆頭にペット同伴可能施設が多くございます。
ドッグカフェや動物病院、ドッグランなど様々なペット関連施設が揃っています。
川沿いは綺麗に補整されておりますので、ペット同伴の散歩にも安心してご活用頂けます。
水と緑が多く、自然環境が豊かな街並みですので、散歩しているだけで四季折々の憧憬を感じられる感性豊かな環境です。マンション内には数々のパブリックスペースをご用意。貴重なプライベートタイムを、より充実した時間へ格上げする上質な空間のラインナップです。
厳かな雰囲気のエントランスを抜けると、温かみのあるホワイトを貴重としたカラーリングのGARDEN ROUNGEが広がります。
居住者の生活を手厚くサポートするコンシェルジュカウンターをはじめ、ちょっとした来客対応に役立つ応接ソファセットやコンセント付きのデスクを設置。様々な用途でお使い頂ける汎用性に富んだ空間です。
大きく切り取られた開口部からは東電堀が一望出来、昼間は暖かい日差しが、夜は綺羅びやかな夜景がお楽しみ頂けます。
18階にはフィットネスルームを設置しています。施設内には最新のマシンを取り揃えており、身体を動かしたい時に最適。
マシンの横にはフリースペースが設けられ、自重を使ったトレーニングなどにご活用頂けます。
1つ上のフロア19階にはSTUDY ROOM、GUEST ROOM、CANAL LOUNGEをご用意。
GUEST ROOMは落ち着いたカラーリングにブルーのアクセントが効いた上質な内装デザイン。居住者の大切なゲストをもてなします。
STUDY ROOMでは仕切り付きの一人用作業スペースをご用意。お子様の勉強など様々なシーンでご活躍します。
CANAL ROUGEは、広々としたキッチンスペースとダイニングスペース、パーティルームがございます。
キッチンは本格的なコンベックを搭載した厨房タイプのスペースと、パーティルーム内に設置されたアイランドキッチンタイプの2種類をご用意。アイランドキッチン脇にはワインセラーや最新式のコーヒーマシーン等充実の設備ラインナップ。
楽しいパーティータイムを過ごすお手伝いをします。
コンシアージュサービス(一部有料)
1階エントランスホールにコンシェルジュカウンターをご用意しております。忙しい日常をサポートするホテルライクなサービスを専任のスタッフが承ります。
主なサービス※Click
ホームエイドサービス(有料)
家事代行サービスのリーディングカンパニー、株式会社ベアーズと提携。
通常の家事代行サービスやハウスクリーニングなどのほか、「パークアクシス豊洲キャナル」だけのオリジナルサービスをお手頃価格でご提供します。
主なサービス※Click
食配ステーション
生協の宅配パルシステム東京と提携。 不在時には、各階にご用意した食配ステーションに宅配物が届けられるため、ご帰宅時に食配ステーションへお届け品を取りに立ち寄ることも可能です。
インターネット(無料)
各住戸まで光ファイバーを引き込んだFTTH(Fiber to the Home)方式のインターネット環境を整えているため、 ご入居後はLANケーブルを差し込むだけですぐにご利用いただけます。
サイクル・カーシェア
サイクルシェア:無料。坂道もラクに走れる電動アシスト付自転車をご用意しています。
カーシェア:有料。三井のリパークが提供するカーシェアリング「カレコ」を導入。
最短30分から10分単位で気軽にご利用可能です。クルマは隣接する「キャナルプレイス豊洲」駐車場にご用意しています。
物件名 | パークアクシス豊洲キャナル | ||
---|---|---|---|
所在地 | 東京都江東区豊洲6-2-11 | ||
最寄駅 | ゆりかもめ「新豊洲駅」徒歩4分 東京メトロ有楽町線「豊洲駅」徒歩9分 ゆりかもめ「豊洲駅」徒歩9分 ゆりかもめ「市場前駅」徒歩11分 ゆりかもめ「有明テニスの森駅」徒歩18分 | ||
物件特徴 | REIT系ブランドマンション、タワーマンション、デザイナーズ、ペット可 | ||
構造規模 | 免震構造 地上19階 地下1階 RC造 | ||
総戸数 | 498戸 | 築年月 | 2015年11月 |
賃料 | 152,000円 – 180,000円 | 管理費 | 12,000円 – 12,000円 |
間取り | 1DK – 1DK | 専有面積 | 33.30m2 – 36.15m2 |
問合番号 | 193 |
■駐車場 151台(平置式1台・機械式150台)
月額27,500円~30,800円
カーシェアリング
■バイク置場 50台/月額4,400円
■駐輪場 745台/登録料1,100円
サイクルシェア4台/無料
―――――――
■設 計 東急建設株式会社一級建築士事務所
■施 工 東急建設株式会社
■管理形式 日勤管理
―――――――
■保 険 借家人賠償付き火災保険要加入
■ペット 相談(敷1積増)
■楽 器 ピアノ相談可
■保証会社 利用必須(※大手法人契約の場合、例外あり)
初回保証委託料/月額賃料等の30%~50%
年間継続料/0.8万円~1.0万円
―――――――
■間取り
□1K~3LDK(29.47㎡~119.85㎡)
―――――――
■共用施設
□1階 コンシェルジュデスク/コンシェルジュサービス
□1階 ガーデンラウンジ
□1階 カフェコーナー
□1階 ペット足洗い場
□18階 フィットネスルーム/無料
□19階 スタディールーム1階/無料
□19階 キャナルラウンジ/ラウンジ兼パーティールーム
□19階 ゲストルーム/1泊10,000円
□各階 食配ステーション
0120-139-692 内覧予約・空室確認・初期費用お見積りなど、お気軽に
お問い合わせくださいませ。(※電話受付 24時間 年中無休)
※掲載情報が現況と異なる場合は、現況を優先させていただきます。
※各種キャンペーン情報は予告なく変更・終了する場合がございます。事前に必ず募集条件をご確認くださいませ。
※各部屋毎に敷金・礼金・キャンペーンの内容が異なる場合がございます。詳細は各部屋ページをご確認くださいませ。
※分譲マンションの場合、各所有者様毎に室内の内装・設備が変更されている場合がございます。
※分譲マンションの場合、建物自体が許可していても各所有者様毎に室内のペット飼育・SOHO 利用について禁止の場合がございます。
※各詳細については、メールまたはお電話にて、お気軽にお問い合わせくださいませ。
不動産用語としてのリロケーションとは、一時的に自宅を不在にする期間中、その物件を第三者に家を貸すことです。
例えば、転勤や出張、実家への帰省など、しばらくの間自宅を留守にする必要がある場合に活用します。
一般的な賃貸との違いは?
リロケーションと一般的なマンションを貸す時では、契約の性質や目的が大きく異なります。
リロケーションの契約形態は定期借家系契約で、一般的な賃貸は普通借家契約です。
普通賃貸借契約と定期借家契約
一般的な賃貸借契約は、通常契約期間が2年で設定されている普通賃貸借契約で、
入居者が希望すれば期間満了後も契約が更新されるため、比較的長期に渡るのが一般的です。
一方、リロケーション契約は一時的な賃貸借に過ぎません。
契約形態は期間の定めがある定期借家契約となり、契約期間は最長でも数年程度に限られます。
前提として、オーナー(物件所有者)の一時的な不在期間が終了次第、再び同じ物件に戻って生活するからです。
つまり、最終的にはオーナーが住む「本来の自宅」として位置づけられています。
そのため、一般の賃貸契約のように、賃借人からの更新要求に応じる義務はありません。
また、賃借人側から中途解約する際にも、通常の賃貸借契約ほど解約の自由はありません。
このような契約の性質の違いから、リロケーションの場合、賃料設定や条件面でも一般的な賃貸とは異なります。
リロケーションのメリット
ここからは、リロケーションのメリットとデメリットについて解説していきます。
まずは、メリットから確認していきましょう。
家賃収入を得ることができる
リロケーションで最も大きなメリットは、一時的に不在となる期間中でも、自宅を賃貸住宅として貸し出すことで家賃収入を得られる点です。
単に空き家のままだと収入はゼロですが、リロケーションを活用すれば一定の家賃収入が期待できます。
ここで得られた家賃収入は、住宅を保有し続けるための様々な出費に充てることができます。
例えば、住宅ローンの返済、固定資産税、修繕積立金など、住宅の維持に係る経費に回すことができるでしょう。
資金が潤沢でない場合でも、この家賃収入を活用することで住宅を保有し続けられます。
また、不在期間中に発生した出費に充てるだけでなく、車の購入資金や教育資金、老後資金など、様々な目的に対して家賃収入を有効活用することが可能です。
さらに、リロケーション期間が長ければ長いほど、家賃収入の恩恵も大きくなります。
数年単位の長期出張や海外赴任の場合は、空き家のままだと見過ごせない損失が発生しますが、リロケーションで賃貸すれば、その間に相当の収入を得られる計算になります。
不在期間中の家賃収入を、有効に活用できるというメリットがリロケーションにはあります。
住宅の維持ができる
リロケーションを利用すれば、自宅が長期に渡って空き家になるリスクを回避できます。
つまり、入居者が常に住んでいるため、適切な住宅の維持管理が期待できるのです。
空き家のままでは、建物に様々な傷みが生じがちです。
24時間室内が無人になるため、カビや虫の発生、水漏れへの初期対応が遅れるなどのトラブルにつながります。
また、室内の保温状態が維持できず、結露による壁や天井の傷みも発生しやすくなります。
一方、リロケーション中は常に人が住んでいるため、空調の使用や日々の掃除など、最低限の住宅維持管理が行われます。
入居者の日常生活を通じて、住宅の手入れがなされているのです。
さらに、万が一の水漏れや設備トラブルにも、入居者から早期に気づくことができます。
初期対応が遅れて損傷が大きくなる前に、オーナーへの連絡や対処が可能です。
このように、住宅資産の適切な維持管理という観点からも、リロケーションは大きなメリットがあると言えます。
防犯対策になる
リロケーションを利用すれば、空き家となる期間を無くすことができるため、
空き家に起因する犯罪被害のリスクを大幅に下げることができます。
空き家は、残念ながら犯罪の標的になりがちです。
長期に渡って人気(ひとけ)のない建物は、空き巣や放火、といった犯罪に狙われます。
建物の損壊や盗難被害に遭うリスクが高まるのです。
また、空き家に犯罪者が住み着いたり、不審者の住処になったりすることも少なくありません。
近隣住民の安全が脅かされかねない状況ともいえるでしょう。
一方、リロケーションを活用すれば、オーナーが不在の期間中も常に人が住んでいます。
外部から見れば通常と変わらぬ生活パターンが継続しているように見えるため、空き家と判断されるリスクが低くなります。
さらに、入居者による住居の管理と監視が期待できます。
例えば、出入り業者の確認、不審者や不審な動きの監視と通報など、防犯面での役割を担ってくれます。
このように、リロケーションを選択すれば、空き家に伴う様々な犯罪被害リスクを大幅に下げられます。
貴重な資産を守る上で、ひとつの防犯対策としてもリロケーションは有効な選択肢と言えるでしょう。
確定申告時に節税ができる
リロケーションで得た家賃収入は、他の所得と合算されて総合課税の対象となります。
そのため、確定申告の際に必要経費を控除できるため、一定の節税効果が期待できます。
具体的には、家賃収入から不動産管理手数料、修繕費、消耗品費、減価償却費など、様々な経費を控除することができます。
住宅ローン残高があれば、支払利息も経費としての控除が認められています。
つまり、家賃収入の全額が課税対象になるわけではなく、合理的な範囲の経費を差し引いた収益に対してのみ、所得税や住民税がかかってくるのです。
ただし、過度な経費の水増しは認められず、適切な経理処理と確定申告が前提となります。
長期の賃貸経営・マンションを賃貸に出す際は節税メリットが大きくなる傾向にありますが、短期のリロケーションであっても一定の節税効果は期待できます。
リロケーションのデメリット
次に、リロケーションのデメリットを確認していきましょう。
通常よりも入居者が見つかりにくい
リロケーションには募集の面で難しさがあり、通常の賃貸と比べて入居者が見つかりにくい傾向にあります。
その理由は、リロケーション契約が一時的な短期契約であることにあります。
契約期間は最長でも数年程度に限られています。
また、期間満了後にはオーナーが自宅として住むことが前提のため、更新ができない特殊な契約(双方の同意があれば再契約は可能)となっています。
一般的な入居者からすれば、このようなリスクの高い契約は避けたいところです。
転居の手間が発生しますし、次の住まいを探す必要もあります。
そのため、リロケーション物件への応募は渋られがちなのが実情です。
このように、条件面でハンディがあることから、リロケーション物件では入居者の獲得が困難になりがちで、
募集を開始してから、実際に入居者が決まるまでに時間を要する場合もあります。
長期化すれば、空室期間が長くなりオーナー側の損失も大きくなります。
オーナーにとって、この点がデメリットの一つと言えます。
相場よりも安くなる傾向
前述の通り、リロケーション物件は一時的な短期契約であり、期間満了時に退去しなければなりません。
入居者にとっては転居の手間がかかるデメリットがあります。
また、家具の持ち込み制限といったルールを設けることもあるでしょう。
つまり、オーナー側がリロケーションを打ち出しても、通常の賃貸物件ほど入居者からの需要や関心は高くありません。
むしろ敬遠される可能性さえあるのです。
そこで、オーナー側は入居者確保のために家賃を割安に設定します。
一般の家賃相場より、10~20%程度安い水準に家賃を抑えることが一般的です。
入居者側にとってリスクの高い契約内容を補うための魅力づけとして、家賃を相場より下げることが必要不可欠なのかもしれません。
確定申告が必要になる
不動産で家賃収入を得る場合、確定申告が義務付けられます。
賃貸の形態がリロケーションであっても、この原則には変わりはなく、確定申告が必要な点はメリットとして記載した節税効果の裏返しとなります。
確定申告を怠ると罰則を受けかねず、正確な計算と手続きが求められるため、オーナーには一定の手間と神経を使う必要があります。
自身で申告を行うのが難しい場合は、税理士など専門家に依頼する必要がありますが、その分コストがかかります。
賃貸期間が長期化するほど、この負担は大きくなります。
つまり、確定申告は節税メリットを享受するための前提条件ですが、同時に事務的・経済的な負担もオーナーに課されます。
リロケーションを検討する際は、これらの点を十分に考慮する必要があります。
住宅ローン減税が受けられなくなる
リロケーションを行う場合、入居者がいる期間中は住宅ローン控除(住宅ローン減税)の適用を受けられなくなります。
住宅ローン控除は居住用の自己所有住宅を対象に、年末残高のローン残高に応じて一定額の所得税額が控除される制度です。
要件を満たせば大幅な税負担軽減が期待できます。
ただし、この制度の大前提が「自己(家族を含む)の居住用住宅」であり、リロケーション期間中は第三者が居住しているため、自己居住要件を満たしていないことになります。
つまり、住宅ローン控除の適用対象外となってしまうのです。
例えば、賃貸期間が1年間だけであっても、その年のローン残高分については控除が受けられません。
当たり前ですが、期間が長ければ長いほど、控除を受けられない金額も多くなります。
リロケーション終了後に自宅に戻れば再度適用対象となりますが、一旦適用が外れてしまうデメリットは大きいでしょう。
特に長期のリロケーションでは、住宅ローン控除によるメリットを大きく失ってしまうリスクがあります。
ただし、リロケーション期間中は家賃収入を得られますので、その分の収入増で一部をカバーできます。
さらに、確定申告時に住宅ローン支払利息を必要経費として控除できるため、間接的に節税対策が可能です。
リロケーション時の注意点
ここからは、リロケーションを実施するうえでの注意点について確認していきましょう。
住宅ローン返済期間中は金融機関への承諾が必要
住宅ローン残高があり返済期間中の場合、リロケーションを行うには事前に金融機関の承諾を得ておく必要があります。
金融機関と契約している重要な条件の1つが自身の「居住用」であることです。
つまり、ローン対象物件は借り主自身が実際に居住することを前提としています。
しかし、リロケーションでは一定期間、ローンの借り主が不在になり、第三者(入居者)が住むことになります。
この状況は契約違反に当たる可能性があるのです。
そのため、リロケーションを行う前に、金融機関に対して入念な説明と承諾を得ることが不可欠になります。
期間や内容を開示し、リロケーションへの理解を求める必要があります。
金融機関次第では、リロケーションを認めない場合もあり得ます。
その際は対応を検討する必要があります。
このように、ローン残高がある場合はリロケーションに先立ち、確実に金融機関への手続きを行うことが重要です。
承諾を得られずにリロケーションを行うと、トラブルの原因となりかねません。
物件の途中解約はできない
リロケーションの大きな特徴は、オーナー側から契約期間中の途中解約ができない点にあります。
入居者側は解約手続きを行えば途中解約も可能ですが、オーナー側から途中解約を行う場合は、
家賃の滞納や、契約違反など正当な事由がない限りは、一方的に解約を行うことができません。
ただし、例外的にやむを得ない事情があり、双方が合意すれば中途解約が認められる場合もありますが、
その場合は立退料として、入居者への補償を支払うケースが多いです。
このように、期間中の自由な解約ができないことがリロケーションのデメリットの一つと言えます。
その点を十分に理解した上で契約を結ぶ必要があります。
リロケーションにかかる費用
ところで、リロケーションを行う際にはどのような費用がかかるのでしょうか。
不動産会社への費用
不動産会社へ支払う費用として、募集の際の仲介手数料から、物件の管理を委託する、管理手数料などがあげられます。
不動産会社が受け取ることができる仲介手数料は、宅地建物取引業法で定められており「家賃の1ヶ月分+消費税」が上限です。
一方で下限額は法律で定められていないため、不動産会社との交渉によっては割引される場合もあります。
手数料率は一般的に家賃の50~100%程度が相場とされています。
また、物件の賃貸管理を委託する管理手数料は、不動産会社や物件の規模や管理業務の内容によって異なりますが、
一般的には家賃の3~5%程度が目安とされています。
例えば、家賃が10万円の物件であれば、月額3,000円~5,000円程度の管理手数料がかかることになります。
このように、リロケーションを利用する際には、不動産会社への手数料が一定かかることを前提に検討する必要があります。
手数料水準は不動産会社によって異なるため、オーナーとしてはコストパフォーマンスを見極めることが重要です。
一般的な相場感を把握し、自身のニーズに合った不動産会社を選ぶことが賢明でしょう。
家賃収入に伴う税金
リロケーションで得た家賃収入については、確定申告を行い、適切に税金を支払う必要があります。
この税金とは、所得税と住民税のことです。
(住宅の家賃収入は非課税売上のため、消費税はかかりません。
一方、家賃収入とは関係なく、不動産の所有していることで発生する固定資産税は毎年掛かります。)
家賃収入は、賃貸に関連する様々な経費を差し引くことができます。
この控除後の所得に対して税率が掛けられ、所得税と住民税が算出されます。
例えば、年間の家賃収入が100万円で、控除経費が70万円の場合、30万円の所得に対してのみ税金が課されることになります。
所得が20万円以下であれば確定申告は不要です。
ただし、経費が多くかかるなどして不動産所得がマイナスだった場合には、確定申告をすれば給与所得などから不動産所得の赤字分を差し引けます。
このように、確定申告時に適切に経費を控除する必要があり、単に家賃収入の全額が課税対象になるわけではありません。
家賃収入に伴う税金を理解し、節税対策の観点からも、リロケーションでの収支を適正に把握し、申告することが重要となります。
リロケーションの流れは?
では、ここからは実際にリロケーションはじめるにあたって、流れを確認していきましょう。
賃料査定
リロケーションを行う際の第一歩は、不動産会社による賃料査定です。
適正な家賃水準を設定することが、その後の入居者募集や成約に大きな影響を及ぼします。
不動産会社では、物件の立地条件、建物の規模・構造、間取り、設備水準、築年数など、様々な要素を基に査定を行います。
さらに、同一地域の相場賃料や類似物件の事例なども徹底的に調査、分析されます。
そして、これらの客観的データを総合的に勘案することで、最終的な賃料査定額が算出されます。
設備水準が高ければ相場より高め、築年数が経過していれば相場を下回る、といった具合です。
賃料査定は不動産会社の専門知識が重要とされる業務で、同社の賃貸物件の豊富な取り扱い実績が活かされます。
立地や地域の特性に精通していることも大きなポイントになります。
賃料の設定は、高すぎると入居者が集まらず、低すぎるとオーナーの収益が減るというジレンマがあります。
不動産会社は中立的な立場から、バランスの取れた適正な査定を心がける必要があります。
このように、リロケーションを有利に進めるには、事前の賃料査定が極めて重要なプロセスと言えます。
不動産会社の専門性を最大限に活かし、適正な家賃設定を行うことがスムーズな入居者募集につながっていくのです。
入居者の募集
賃料査定後は、本格的な入居者募集の段階へと移ります。
不動産会社がさまざまなルートで募集活動を行い、応募者を集めていきます。
最も一般的な募集方法は、不動産会社が自社で運営するウェブサイトへの物件情報掲載です。
こうしたサイトは多数の賃貸希望者が閲覧するため、効果的な露出が期待できます。
物件情報には、部屋の間取り、家賃、設備状況などの基本条件に加え、リロケーション物件であることや契約期間などの特徴も明記されます。
さらに、募集範囲を広げるため、店頭へ物件情報の掲示板やチラシ配布、SNS広告なども行います。
地域密着型の広報活動で、幅広い層への露出を図るのです。
このように、不動産会社ではITを駆使したインターネット媒体と、フィールドでの対面型のアプローチを組み合わせて、できる限り広範囲への効果的な募集を心がけています。
入居者確保に向け、あらゆる手段を講じているのです。
入居審査
入居希望者から応募があった段階で、不動産会社による入念な入居審査が行われます。
入居希望者の資格要件を確認し、円滑な賃貸借契約が見込めるかどうかを審査するプロセスです。
主な審査項目は以下の通りです。
・収入状況
・職業や雇用形態の安定性
・連帯保証人の有無
・連帯保証会社の利用意向
・現在の住居状況
・同居人の有無
・犯罪歴の有無 など
特に「年収の3分の1を超えない家賃負担か」「連帯保証人が確保できるか」などといった点は重要視されるポイントです。
十分な支払い能力があり、保証人が付くかどうかで、審査合格が大きく左右されます。
審査で問題がある場合は、不動産会社から入居希望者へ改善を求めたり、場合によっては入居を拒否する権限を持っています。
一時的な利用といえるリロケーション物件への入居についても、一般の賃貸物件と同様に慎重な審査が行われます。
契約締結
審査を無事通過した入居希望者との間で、正式な賃貸借契約を結ぶ段階になります。
契約書への署名捺印を経て、リロケーション物件への入居が正式に決定します。
契約書には、賃貸借の重要な条件がすべて明記されます。
・契約の種類(定期借家契約)
・契約期間(リロケーション期間)
・月額家賃
・敷金や礼金の有無と金額
・原状回復費用の考え方
・特約事項(家具の持ち込み制限など)
・借主・貸主(オーナー)の住所、氏名 など
特にリロケーション契約の場合、契約期間が明確に決められている点が重要です。
契約満了時に確実に退去する必要があるため、期間の終期が明示されます。
また、原状回復の扱いや、期間中の設備のメンテナンス、修繕の責任範囲なども契約で取り決められます。
契約締結時には、賃貸保証金や家賃の支払いなども行われます。
オーナー側と入居者の双方で契約内容に同意が得られ、手続きが完了した時点で、正式なリロケーション契約が成立したことになります。
以降は、契約書に則って、双方がその権利義務を適正に履行していくことになります。
トラブル発生の予防となる重要な過程が、この契約締結の段階だと言えるでしょう。
不動産会社の選び方
このような賃料査定や募集、管理を依頼するにあたって不動産会社はどのように選ぶべきでしょうか。
ここからは、信頼できる不動産管理会社の選び方についてお伝えしていきます。
管理実績はあるか
リロケーション業務を不動産会社に依頼する際、実績の有無は重要なポイントとなります。
リロケーションの実績が多い会社を選ぶことで、スムーズな運営が期待できます。
リロケーションは一般的な賃貸仲介と異なり、特殊な契約形態です。
短期の賃貸期間、期間満了時の確実な退去、オーナーの再入居予定などの特性があります。
このような性質上、実務に携わる不動産会社には一定の経験と知識、ノウハウが求められます。
リロケーションの実績が不明な場合は、一般的な仲介、管理の実績でも構いません。
そのなかには一定の割合でリロケーションの契約があることが推測されるからです。
実績が豊富な会社は、契約条件の設定や募集活動、審査プロセス、入居者対応など、一連の業務に精通しています。
トラブル発生時の対処方法も体得しているため、スムーズな運営が可能です。
一方で、実績が乏しい会社に依頼した場合、リロケーションの特性を理解しきれていないリスクがあったり、
募集活動の行き違いや、条件設定の間違い、入居者とのトラブルなどが発生する可能性が高くなるでしょう。
そのため、複数の不動産会社の実績を確認し、比較検討することが重要です。
Web上の情報だけでなく、実際に会社を訪れて具体的な対応を確かめるのも賢明でしょう。
経験とノウハウに富む会社を選ぶことで、リロケーションをストレスなく、かつ有利に進められるはずです。
実績の有無は会社選定の大きな判断材料になると言えます。
レスポンスは早いか
不動産会社を選ぶ際、レスポンスの速さは重要なポイントの一つです。
不動産会社には、物件の問い合わせから契約手続きまで、スピーディーな対応が求められます。
入居者は物件探しの際、気になる物件があれば早々に問い合わせをしますが、不動産会社の対応が遅れると他の物件を見ざるを得なくなります。
また、内見の日程調整や契約手続きでも、不動産会社のレスポンスが遅れると入居時期が遅れる可能性があります。
入居後も、トラブルや修理の対応が遅れると大きな不便を強いられかねません。
退去時の精算なども、スムーズに行われないと引越しなどに影響が出るでしょう。
不動産会社のレスポンスの速さは、物件探しから入居、在住、退去に至るまで、常に重要となります。
連絡への返信が遅い、日程調整に時間がかかるなど、レスポンスが悪い会社は避けたほうが無難です。
実際に問い合わせを入れてレスポンスの速さを確かめることが有効な確認方法といえます。
口コミや評判はいいか
リロケーション業務を依頼する不動産会社を選定する上で、口コミや評判をチェックすることは重要なプロセスです。
実際に利用した人の生の声から、会社のサービス内容が良くわかるためです。
昨今ではSNSやWebサイトで、不動産会社に関する口コミ情報が数多く存在します。
投稿された内容を参考にすることで、会社の実態が浮き彫りになってきます。
例えば、以下のような点が口コミからわかります。
・スピーディーな対応ができるか
・わかりやすい説明ができるか
・トラブル対応は適切か
・物件情報の精度は高いか
・仲介手数料は適正か
・全体的な満足度は高いか
加えて、ネガティブな口コミには特に注意が必要です。
スタッフの不誠実な対応や、説明不足、条件と異なる実態などの指摘は重要な参考となるはずです。
リロケーションは一般の賃貸とは異なる特殊な取り扱いが求められます。
従って、リロケーション特有のサービスに関する評価や体験談にも目を向ける必要があるでしょう。
このように、Web上の多くの口コミを参考にすることで、不動産会社の実力や本当の姿が見えてきます。
評判の良し悪しを事前に把握できれば、適切な会社選定につながると考えられます。
よくある質問
では最後に、よくある質問について回答していきます。
質問①サブリースとの違いは何か?
リロケーションとよく似た取り扱いであるサブリース(転貸借)との主な違いは、物件の動向にあります。
リロケーションは、あくまでも一時的に不在になる期間の住宅を賃貸に出す制度です。
オーナー自身が最終的に元の住居に戻り、自ら居住することが前提となっています。
一方、サブリースの場合は、自宅に戻ることを前提としていません。
つまり、リロケーションは「一時的な不在」に過ぎませんが、サブリースは「完全に居住者が代わる」ことを意味します。
この点が根本的な違いと言えます。
また、これら違いから契約内容や条件面にも相違点があります。
リロケーションでは、オーナーが再び入居することが前提とされているため、契約期間に制限があり、基本的には途中解約もできません。
サブリースの場合はリロケーションよりも自由度が高い傾向にあります。
このように、最終的な物件の帰趨(きすう)が異なることで、リロケーションとサブリースでは実際の運用面での違いも大きくなっています。
どちらを選ぶかによって、オーナー側・入居者側のメリット・デメリットが変わってきます。
質問②代理委託方式と転貸借方式の違いは?
不動産会社に物件の管理を任せる場合、主に「代理委託方式」と「転貸借方式」の二つがあり、その違いを理解しておく必要があります。
【代理委託方式】
この方式では、オーナーと入居者が賃貸借契約を結びます。
また、オーナーは不動産会社と管理委託契約を結び、物件の管理を依頼します。
つまり、オーナーは入居者と不動産会社とで、それぞれ違った契約を結ぶ形式となります。
【転貸借方式】
一方、転貸借方式ではオーナーと不動産会社で、不動産会社と入居者で、それぞれ賃貸借契約が締結されることになります。
オーナーから不動産会社へ物件が賃貸され、その後、不動産会社から実際の入居者へ賃貸(転貸)されるといった流れです。
そのため、不動産会社は賃借人と賃貸人の双方の立場に立つことになります。
代理委託方式と転貸借方式、いずれにせよ入居者対応は不動産会社が行うことに変わりはありませんが、契約の構造や当事者間の関係性が異なります。
賃料設定の仕方や収支の取り扱いなども、方式によって変わってくるのが一般的です。
それぞれ一長一短があるため、不動産会社とよく相談し、最適な方式を選ぶことが重要といえます。
賃貸経営・マンションを賃貸に出す際に成功するためには、適切な家賃設定が欠かせません。家賃を決める際には、以下の要素を考慮することが重要です。これらの要素が競合物件よりも優れている場合、家賃を高めに設定することが可能です。
建物の構造
建物の構造は家賃設定に大きな影響を与える要素の一つです。耐久性や防音性に優れた鉄筋コンクリート造のマンションは、一般的に鉄骨造や木造のアパートよりも高い家賃を設定することが可能です。
木造のアパートは、防音性や防火性の点で鉄筋コンクリート造に劣り、特に最上階では夏場の室温が上がりやすいという欠点があります。また、シロアリなどの害虫が発生するリスクも考慮する必要があります。
一方、鉄筋コンクリート造のアパートは、家賃が高めに設定されることが多いですが、その分、入居者が求める設備や条件を満たしていないと空室が増える原因になりかねません。適切な設備投資が求められます。
部屋の広さ・間取り
部屋の広さや間取りは、家賃設定において非常に重要な要素です。基本的に、部屋数が多く、面積が広いほど、家賃を高く設定することが可能です。
アパートで高い家賃を設定しやすい間取りの例をいくつか紹介します。
バス・トイレ別
この仕様は入居者にとても人気があり、特にワンルームでも家賃を高めに設定できます。
広めのワンルーム
25㎡以上の面積があるワンルームは、一人暮らしの入居者に人気です。
ファミリー向けの間取り
3LDK以上の間取りはファミリー層に好まれます。
間仕切り可能
部屋を間仕切りできる柔軟な間取りは、多様なニーズに対応できるため人気があります。
特に最近では、在宅時間が増加しているため、25㎡程度の広さの1Kが一人暮らしの人々に好まれる傾向があります。
バス・トイレが別の物件はさらに人気が高いため、水回りの設計に注力すると良いでしょう。
ファミリー向けのアパートでは、リビングでゆったりと過ごせるLDKや、部屋を区切れる間取りが人気です。アパートの建設時にターゲット層を明確にし、そのニーズに合った設計を行うことで、空室リスクを低減できます。
築年数
築年数は家賃設定に大きな影響を与える重要な要素です。一般的に、築年数が浅い物件は人気が高く、家賃も高めに設定することができます。また、地震の多い日本では、耐震性の基準を満たしているかどうかも家賃設定に影響します。
新耐震基準(1981年導入)
震度6〜7でも倒壊しない設計が求められる耐震基準です。この基準を満たす物件は、耐震性が高いと評価され、家賃を高めに設定できます。
2000年基準
2000年に導入された新しい耐震基準で、地盤に応じた基礎設計などの新しい基準が設けられています。2000年以降に建てられた物件は、地震に強い設計となっており、2000年以前の物件に比べて高い家賃設定が可能です。
これらの基準を満たす物件は、耐震性が高いと評価され、入居者に安心感を提供できるため、家賃を高めに設定することができます。
方角と階数
方角や階数も家賃設定に大きな影響を与える要素です。一般的に、日当たりの良い南向きの部屋は人気が高く、家賃を高めに設定することができます。また、階数が上がるほど景観が良くなるため、高層階の物件は家賃が高くなる傾向にあります。
ただし、エレベーターがない建物の3階以上の場合は、上層階であっても家賃が高くならないケースがあります。これは、入居者が階段の利用を避ける傾向があるためです。
内装・設備
家賃を高めに設定するためには、設備で他の物件と差別化することが有効です。以下の設備は、入居者にとって魅力的であり、家賃を高めに設定する要因となります。
オートロック・モニタ付インターホン
防犯性が高い物件は、特に女性や家族連れに人気があります。
インターネット無料
インターネット利用料が無料の物件は、家賃が高くても入居者に喜ばれます。
浴室乾燥機・追い焚き機能
これらの設備は、特にファミリー層や忙しいビジネスパーソンにとって魅力的です。
室内洗濯機置き場
室内に洗濯機置き場があることで、利便性が向上し、家賃を高めに設定できます。
ウォークインクローゼット
収納スペースが豊富な物件は、広さや使い勝手の良さを求める入居者にとって大きな魅力です。
近年、防犯面を重視する入居者が増えているため、オートロックやモニター付きインターホンの設置は非常に有効です。また、インターネット利用料が無料の物件は、家賃が高めでも人気が高い傾向があります。
周辺環境
アパート経営を成功させるためには、周辺環境が重要な要素となります。次のような条件を満たしている場合、「人気が高く便利な立地」として高い家賃設定が可能です。
住宅街の中にある
静かで落ち着いた環境は入居者にとって魅力的です。
駅から徒歩10分圏内
通勤・通学に便利な立地は非常に人気が高く、高めの家賃設定が可能です。
周辺にスーパーなどがある
日常の買い物が便利な環境は、入居者にとって大きな魅力となります。
生活しやすい立地にあるかどうかも重要です。立地が良ければ、家賃が多少高くても入居者を集めることができます。しかし、生活に不便な施設が近くにある場合や、入居者が敬遠する施設がある場合には、家賃を適切に設定する必要があります。
たとえば、単身者向けのアパートの近くに幼稚園や保育園、学校があると、夜勤の人にとっては騒がしい環境が日中の睡眠を妨げる可能性があります。また、工場や墓地、火葬場などの施設も敬遠されやすいため、これらの要素を考慮して家賃を設定することが重要です。
駅徒歩
賃貸経営における家賃設定の重要な要素の一つに、最寄り駅までの徒歩距離があります。最寄り駅まで徒歩10分以内(約800メートル)の物件は、同じ地域でも高めの家賃を設定しやすいです。特に、最寄り駅が都市圏の主要駅にアクセスしやすい場合、その物件の魅力はさらに高まります。都市圏で働く入居者にとって、通勤や通学の利便性は大きな魅力となるため、高い家賃設定が可能です。
募集条件
敷金や礼金をゼロとしている物件があるため、比較する際には敷金や礼金の有無についても注意しましょう。
引っ越しシーズンの2~3月頃は需要が高まるため、高めの家賃でも成約しやすくなる傾向があります。
日本では賃貸物件のほとんどが普通借家契約ですが、定期借家契約の賃貸物件もあります。家賃は定期借家契約のほうが低く設定される傾向が見られます。
近隣の家賃相場
入居希望者は、住みたいエリアの家賃相場に非常に敏感です。家賃が相場よりも高い場合、その物件がそれに見合う価値を持っているかどうかが確認されます。反対に、家賃が安すぎる場合は、何か問題があるのではないかと不安を感じることが多く、その結果、入居申し込みが減少し、空室期間が長引く可能性があります。
適切な家賃設定を行うためには、近隣の家賃相場を調査し、自分の物件が競争力を持つように調整することが必要です。
将来街が発展しそうかどうか
家賃相場はエリアの将来性に大きく影響されます。将来的な発展が見込まれるエリアでは、家賃の下落リスクが低く、高めの家賃設定が可能です。例えば、新しい商業施設や交通インフラの整備計画がある場合、そのエリアの価値が向上し、家賃の上昇が期待できます。
一方で、将来的な発展が見込めないエリアでは、家賃の下落リスクが高まります。このような場合には、家賃下落のシミュレーションを行い、現実的な家賃設定を行うことが重要です。地域の経済動向や人口動態などを考慮し、慎重に家賃を設定することが求められます。
家賃の計算方法
家賃の計算方法は、「積算法」「賃貸事例比較法」「収益分析法」があります。特に、「積算法」と「賃貸事例比較法」は、居住用マンションやアパート、一戸建てを貸す際の家賃を算出する際に広く用いられています。それぞれの方法について詳しく説明します。
積算法
積算法は、投資した元本に対してどれだけの利益が得られるかを基にして家賃を算出する手法です。アパートの家賃の設定の際によく用いられており、オーナーの利益を確保しやすい点が特徴です。
計算式は次の通りです。
「基礎価格 × 期待利回り + 必要諸経費等」
これを別の言い方をすれば、「物件の時価 × 投資の利回り + 必要諸経費等」とも表現できます。この計算式を用いることで、賃貸物件オーナーは適切な利益確保が可能な家賃を算出できます。
必要諸経費には、以下が含まれます。
減価償却費
固定資産税
都市計画税
損害保険料
維持管理費
空室による損失相当額
積算法は、適切な賃貸事例が見つからない不動産の家賃を決定する際に特に有効です。ただし、一般的な家賃算定においては、次に説明する賃貸事例比較法が重視されることが多いです。
賃貸事例比較法
賃貸事例比較法は、名前の通り、周辺の類似している競合物件の家賃と比較して家賃を算出する手法です。アパートの家賃設定において最もポピュラーな方法であり、類似する物件が多いほど正確な家賃を導き出せます。
この方法では、募集する部屋とできるだけ条件の似た部屋の事例を集めます。立地の違いや階数の違いなどを考慮して、最も適切な家賃を算出します。
賃貸事例比較法は、市場の動向を反映した適正な家賃を設定するのに非常に効果的です。競合物件の家賃を調査し、自分の物件の強みや弱みを考慮することで、バランスの取れた家賃設定が可能になります。
収益分析法
収益分析法は、ホテルや店舗などの事業用物件の家賃算出に多く用いられる方法です。この方法では、「その物件を利用した場合に企業が得られる収益はどれくらいか?」に着目して家賃を設定します。収益分析法は、主に借主の利益に焦点を当て、事業用物件の家賃算出に適しています。
アパート経営では、この方法は参考程度にとどめておくのが良いでしょう。今回は居住用物件・マンションを貸す際の家賃を算出する手法について紹介するため、収益分析法については省略します。
最終決定はオーナーの意向
家賃の最終決定は、オーナーの意向に大きく左右されます。オーナーが短期間で入居者を決めたい場合、家賃を相場よりも低めに設定することが有効です。これにより、迅速に入居者を見つけ、空室期間を短縮できます。
一方で、オーナーが相場よりも高い家賃を設定したい場合、空室期間が長くなるリスクを考慮する必要があります。この選択は、物件の特性や市場の需要、オーナー自身の経営方針によって異なります。
高めの家賃を設定する場合、物件の価値を高めるための設備投資や、ターゲットとなる入居者層に対するマーケティング戦略が重要です。オーナーは、収益性と空室リスクのバランスを考慮しながら、最適な家賃を設定することが求められます。
よくある質問
賃貸経営における家賃設定に関するよくある質問をまとめました。参考にしてください。
質問①不動産会社に頼らず自分で家賃査定をすることは可能か?
不動産管理会社に家賃査定を頼まないで、自分で家賃査定をすることはできるのでしょうか。ここでは、この疑問に答えます。
可能だが不動産会社に任せるのが適切
自分で賃料査定をすることは可能です。まず、賃貸に出そうとしている物件と立地条件や構造、契約内容、用途等の条件が似た競合物件を3~5つほど選びます。つぎに実際に賃貸物件を探している借主の立場を想定し、所有物件と競合物件の家賃を決める大事な要素で紹介した要素について「加点ポイント」と「減点ポイント」を書き出して検討しましょう。
例えば、以下のように検討します。
立地も築年数も似ている定期借家の物件の家賃が100,000円なので、自分の賃貸物件はもう少し高い家賃に設定できそう。
自分の物件よりも駅までの距離が少し近く、築年数も新しい賃貸物件が家賃120,000円に設定されている。同じ家賃にすると入居希望者がそちらの競合物件を選んでしまう可能性がある。
この方法である程度適切な家賃を算出することができますが、あくまで個人でできる範囲と考えてください。
収益を最大化できる明確な家賃設定をしたい場合は、不動産会社に相談するのが最適です。不動産会社は、上記に加えて、過去数年間のデータや、レインズなど不動産関係者しか見ることのできないデータを駆使して家賃を決定します。賃貸市場のニーズや動向も加味して家賃を設定するため、収益性が良くなるだけでなく、空室リスクも限りなく少なくなります。
質問②一括査定サイトで家賃査定をした際に、一番高い賃料提示してくれた会社に媒介を任せた方がいいのか?
一括査定サイトを利用して賃料査定を行った際、一番高い賃料を提示してくれた不動産会社に媒介を任せるべきでしょうか。この疑問についてお答えします。
賃料査定が高ければいいとは限らない
必ずしも一番高い賃料を提示してくれた不動産会社に媒介を任せるのが最適とは限りません。高すぎる家賃設定は、空室期間が長引くリスクがあり、結果として収益を圧迫する可能性があります。
高い賃料を提示する不動産会社が必ずしも悪いわけではありませんが、提示された賃料が市場相場と大きく乖離している場合は注意が必要です。市場の現状をしっかりと把握し、現実的な家賃設定を行うことが重要です。
以下のポイントを参考にしてください。
複数の査定結果を比較
一括査定サイトで得た複数の査定結果を比較し、平均的な賃料を把握します。
現地調査を行う
不動産会社が実際に物件を見て査定した結果を重視しましょう。
市場相場の確認
近隣の賃貸物件の家賃相場を調査し、現実的な賃料を設定します。
プロの賃料査定はぜひ参考にすべきですが、鵜呑みにするのは危険です。賃料査定は、最終的には主観や経験が必要です。高い査定だから良いというわけではなく、相場に合う賃料を査定してくれることが大切です。
一部の不動産会社は、仲介を依頼してもらうために高い査定額を提示することがあります。このような場合は契約直前に賃料交渉が入ることがよくあります。また、その高額な査定を鵜呑みにして家賃を設定すると、空室期間が長引く可能性が高くなります。
賃料査定は、物件の管理を依頼する不動産会社を選ぶ際の第一歩でもあります。査定結果だけでなく、不動産会社の対応や担当者の知識・経験を総合的に判断することが重要です。
不動産会社を選ぶ際には、以下の視点でチェックすると良いでしょう。
過去の実績や管理物件の入居率
これまでの実績が豊富で、管理物件の入居率が高いかどうか。
担当者の対応や提案
担当者の対応が丁寧で、提案が納得できる内容かどうか。
査定結果の説明
査定結果についての説明が明確で納得できるかどうか。
これらのポイントを考慮しながら、信頼できる不動産会社を選ぶことで、収益を最大化し、空室リスクを最小限に抑えることができます。
アパート経営・マンションを賃貸に出す場合において、経費の適切な計上は税務上の重要なポイントです。経費として認められない支出を計上してしまうと、後の修正申告が必要となり、場合によってはペナルティが課されることもあります。これからアパート経営を始める方は、経費に関する正しい知識を身につけることが不可欠です。
多くの方が、「これは経費になるのだろうか?」と疑問を持ちながら帳簿をつけています。ここでは、アパート経営における経費の判断基準について解説します。これを理解することで、正確な経費計上が可能となり、確定申告もスムーズに進めることができます。
まずは、経費として認められる費用と認められない費用の基準を把握しましょう。
マンション経営・アパート経営に直接関係する費用か
アパート経営において経費として計上できるのは、「アパート経営に直接関連する費用」です。アパートを運営する中で様々な支出が発生しますが、その全てが経費として認められるわけではありません。
経費として認められるためには、その支出がアパート経営に直接関係していることが重要です。例えば、共用部の修繕費や入居者募集のための広告宣伝費は、明確にアパート経営に必要な費用ですので、経費として計上することができます。
一方、事業に無関係な支出は経費として認められません。例えば、個人的な食事や自宅の家具購入費などは、アパート経営とは関係がないため、経費として計上することはできません。経費として計上できるかどうか判断に迷った場合は、「その費用がアパート経営に直接関係しているか」を基準に考えましょう。
アパート経営に関連していると思われる支出でも、会計上で必要な費用と見なされない場合は、経費として認められない可能性が高いです。このため、経費計上には慎重な判断が求められます。
マンション経営・アパート経営で経費計上できるもの
経費を正確に計上することは、節税対策に直結します。税金は、家賃収入から経費を差し引いた所得に税率をかけて計算されるため、経費を多く計上するほど税金を抑えることができます。具体的には、「(家賃収入-経費)×税率」という計算式になります。
したがって、経費として認められる費用を漏れなく計上することが重要です。もし経費にできる支出を見逃してしまうと、その分だけ節税の機会を失うことになります。アパート経営において、どの費用が経費として認められるかをしっかり把握し、適切に計上することが求められます。
ここでは、アパート経営において経費計上できる具体的な項目を紹介します。これらを参考にして、経費計上の際に迷わないようにしましょう。
仲介手数料
アパート経営やマンションを貸す際、不動産会社に物件の購入を仲介してもらうことがあります。その際に支払う仲介手数料は、経費として計上することができます。初年度には、これらの仲介手数料を忘れずに経費として計上しましょう。
また、賃貸契約に際して不動産管理会社に支払う仲介手数料も経費に含まれます。これらの手数料はアパート経営に直接関係する費用ですので、適切に経費計上して節税対策を行いましょう。
広告宣伝費
アパートに入居者を募るためにかかる広告費用や宣伝費用は、経費として計上することが可能です。不動産会社に依頼して入居者を集客する際にかかる費用や、自分で集客するために作成したパンフレットやチラシの費用が該当します。
これらの広告宣伝費は、賃貸経営に直接関連するため、適切に経費として計上することができます。目安としては、家賃の1~2ヶ月分程度の費用が一般的です。
管理手数料
アパート経営において、不動産管理手数料は重要な経費として計上することができます。アパートは適切な管理が必要なため、エレベーターや共用部の設備点検、保守管理費用、清掃費用などが発生します。
これらの費用は、アパート経営を円滑に進めるために欠かせないものですので、経費として処理することが可能です。管理を自分で行う場合も、管理会社に委託する場合も、その手数料は経費として認められます。
建物に対しての損害保険料
アパート経営において加入する保険の保険料は、経費として計上することができます。火災保険や地震保険、施設賠償保険などの保険は、アパート経営に必要不可欠なものです。その保険料は経費に含まれます。
ただし、数年分の保険料を一度に支払った場合は注意が必要です。支払い自体は一度ですが、保険の有効期間が数年にわたる場合、経費として計上できるのはその年に対応する部分のみです。例えば、3年分の保険料を一度に支払った場合、その年には1年分の保険料だけを経費として計上し、残りの2年分は翌年以降に分けて計上します。
このように、適切な会計処理を行うことで、正確な経費計上が可能となります。
ローン返済の利息
アパートの取得のために借り入れた資金の「返済利息部分」も、経費として計上することができます。アパート購入には多額の費用がかかるため、金融機関からの借り入れを利用することが一般的です。
借り入れた資金は、元金と利息を含めて返済することになりますが、このうち利息部分のみが経費として認められます。一方で、元金部分は経費として計上できません。
また、借入時に発生するローンの「保証料」も経費として計上することが可能です。これにより、適切な経費計上を行い、節税効果を高めることができます。
建物や設備に掛かる減価償却費
購入したアパートの「減価償却費」は、アパート経営における経費の中でも特に大きな金額を占めます。減価償却とは、時間の経過や使用に伴い価値が減少する固定資産に対して行う会計処理です。アパートの取得額を法定耐用年数に基づいて分割し、毎年少しずつ費用として計上します。
以下に示すように、法定耐用年数はアパートの構造により異なります。
建物の種類 耐用年数
・軽量鉄骨造 19年
・木造 22年
・鉄骨造 30年
このように、アパートの種類に応じて適切に減価償却費を計上することで、経費を正確に反映させ、節税効果を高めることができます。
建物や設備の修繕費用
アパートの修繕にかかった「修繕費用」は、経費として計上することができます。アパートは経年劣化や住人の使用によって老朽化するため、不具合が見つかった際には修繕が必要です。また、住人が退去した際の原状回復にも費用がかかります。これらの費用はアパート経営の経費として認められます。ただし、一括で計上できる修繕費用は原則として20万円未満のものです。
修繕の内容によっては、「資本的支出」として扱われ、修繕費として計上できない場合もあります。資本的支出とは、アパートの建物本体や設備の使用可能期間を延長したり、価値を高めたりするための支出です。例えば、耐震補強や防水加工、屋根の張替えなどが該当します。これらの資本的支出は、修繕した設備や建物の耐用年数に応じて減価償却し、経費として計上することになります。
また、大規模修繕のための修繕積立金は、支払ったタイミングで経費として計上できないため注意が必要です。
租税公課
アパート経営に関連する税金のうち、不動産に関する税金は経費として計上することが可能です。例えば、アパートを所有する際に発生する印紙税、都市計画税、登録免許税、事業税などが該当します。また、不動産所得税や自動車税、固定資産税も、アパート経営に関するものは経費として計上できます。
これらの税金を経費として計上するためには、アパート経営に関連する費用とプライベートな費用を正確に区別し、証拠として記録を残しておくことが重要です。ただし、所得税や法人税は経費として計上できないので注意が必要です。
以下に、主な不動産関連税金の計算方法を示します:
固定資産税:固定資産評価額 × 1.4%
都市計画税:課税標準額 × 0.3%
不動産取得税:固定資産評価額 × 3%
登録免許税:課税標準額 × 0.4%
印紙税:契約金額によって異なる
事業税:(所得金額 – 事業主控除)× 5%
これらの税金を適切に計上し、経費処理を行うことで、アパート経営の節税に役立てましょう。
その他
説明した経費以外でアパート経営における経費として計上できるものをご紹介します。
接待交際費
アパート経営に関係する人物との交流に使う接待交際費は、経費として計上できます。ただし、個人的な飲食費は対象外です。例えば、管理会社や税理士など、賃貸経営に直接関与する人との飲食費や、お中元などは経費として認められますが、親戚への贈り物や夫婦間の会食費用は含まれません。
通信費
不動産会社や管理会社との連絡にかかる電話代や郵送代、さらにアパートの検索や各種手続きに使用するインターネット通信費は、経費として計上することができます。しかし、プライベートでの使用とアパート経営に関連する使用を明確に区別する必要があります。税務署に認められるためには、プライベート用とアパート経営用の通信費を分けて管理することが重要です。それぞれの使用分を正確に把握し、記録しておくことが大切です。
交通費
保有するアパートへ行く際の交通費や、管理会社や税理士などの関係者との打ち合わせにかかる交通費は、経費として計上できます。ただし、個人的な移動にかかる交通費は対象外です。賃貸経営に関連する移動費用を記録し、明確に分けておくことが重要です。
消耗品費
アパートの外観を撮影するためのカメラや、不動産管理に使用するパソコンを購入する際、その費用が10万円以下であれば、消耗品費として計上できます。しかし、10万円を超える場合は減価償却費として処理する必要があります。また、購入した消耗品をプライベートでも使用する場合、全額を経費にすることはできません。プライベート使用とアパート経営に使用した割合を区別し、それに応じて費用を按分する「家事按分」が必要です。
例えば、車を利用して物件の見学を行う際のガソリン代などは経費として計上できますが、その車をプライベートでも使用している場合、アパート経営に使用した割合のみを経費として申請できます。家事按分の割合を算出する方法には様々なものがありますが、税務署が合理的と判断する方法であれば問題ありません。
水道光熱費
アパートの共用部分で使用する水道光熱費は、経費として計上できます。これには、廊下やエントランスの照明、共用洗濯機の水道代などが含まれます。ただし、個人的に使用した分は対象外となりますので、経費として計上する際には共用部分にかかる費用のみを明確に区分することが重要です。
事務用品費
帳簿をつけるためのノートやペン、契約書にサインするためのボールペンなど、アパート経営に必要な事務用品の購入費用は経費として計上できます。これには、コピー用紙やファイル、インクカートリッジなどの消耗品も含まれます。ただし、個人的な使用分は経費として認められないため、アパート経営専用の事務用品費を正確に記録しておくことが重要です。
地代(借地料)
経営するアパートが借家の場合に支払う家賃や、アパートを建てた土地が借地の場合に支払う地代・借地料は、経費として計上できます。これらの費用は、アパート経営に直接関連するため、経費として認められます。ただし、個人的な目的で使用する場合は経費にできないため、正確に区分して記録することが重要です。
新聞書籍費
アパート経営に関連する情報を得るために新聞を購読したり、専門書を購入した場合、その費用は経費として計上することができます。これには、不動産市場の動向や賃貸経営のノウハウを学ぶための資料が含まれます。ただし、プライベートでの利用が含まれる場合は、その部分を除いて計上する必要があります。
従業員への給与
アパート経営において従業員に支払う「給料・賞与・退職金」は、事業者が青色申告をしている場合、特定の条件を満たすと経費として計上できます。
青色申告をしている事業者が、アパート経営を手伝う生計を共にする15歳以上の配偶者や親族に支払う給料を経費として計上するには、以下の条件があります。
専従者の条件
・生計を共にしている配偶者や親族であること
・申告する年に15歳以上であること
・他の仕事に従事しておらず、専従している期間が半年以上であること
従業員への給与を経費として計上するためには、「5棟10室以上」のアパートを所有している必要があります。この条件を満たさない場合、従業員に支払った給与は経費として計上できません。
立ち退き料
住人による長期的な家賃滞納や度重なるトラブルが原因で、退去をお願いするケースもあります。その際に発生する立ち退き料は、経費として計上が可能です。この費用は、賃貸経営における必要経費と認められるため、適切に申告することが重要です。
弁護士や税理士への報酬
アパート経営に関連する業務で税理士や弁護士に依頼した場合、その報酬は経費として計上することが可能です。例えば、税務処理を税理士に依頼したり、トラブル対応を弁護士に任せたりする場合が該当します。しかし、アパート経営とは無関係な個人的な問題でこれらの専門家に依頼する際の費用は、経費として計上できないので注意が必要です。
マンション経営・アパート経営で経費計上できないもの
アパート経営や家を貸す際に経費として認められない費用があります。これらの費用は、基本的に事業活動に直接関連しない支出です。以下に、経費計上できない主な費用の例を挙げます。
アパート経営とは関係のない経費
アパート経営において経費として認められない費用は、アパート経営に直接関連しない支出です。例えば、個人的な出費や、アパート経営とは無関係な活動にかかる費用は、経費として計上することができません。
ローン返済の元本
アパートローンの返済において、元本部分の支払いは経費として計上することができません。これは、元本返済は単に借りた資金を返済しているだけであり、実際の支出としては認められないためです。一方、利息部分の支払いは経費として認められます。したがって、ローン返済の際には、利息部分のみが経費として計上可能であることを理解しておく必要があります。
マンション経営・アパート経営に関係のない租税公課
マンションやアパート経営において、経費として計上できない租税公課があります。固定資産税や不動産取得税、印紙税などは経費として計上できると前述しましたが、所得税や法人税など、不動産に直接関係のない税金は経費として計上することはできません。
基本的に、税金の支払いは経費として認められません。しかし、固定資産税や不動産取得税のような「不動産に関する税金」だけが、例外として経費計上が認められていることを覚えておきましょう。
20万円以上の修繕費
修繕費が一件あたり20万円を超える場合、その費用は経費として扱われるのではなく、資本的支出となります。資本的支出とは、新しい資産を構築したと見なされる支出のことです。この支出は一旦資産として計上され、その後減価償却の対象となります。
例えば、「アパートにもう一部屋増築する」といった工事は、建物を新しく作ることと同等とみなされるため、資本的支出として扱われます。
資本的支出となったお金は、すぐに経費として認められないわけではなく、減価償却の対象となるため、工事の種類ごとに定められた耐用年数に基づいて少しずつ費用化することが可能です。
このように、20万円を超える修繕費用は長期的に見れば経費化できるため、資本的支出とすることのメリットも理解しておくと良いでしょう。
節税可能な税金とは?
アパート経営で利益が出たら、必ず「確定申告」を行いましょう。アパート経営から得られる利益は「不動産所得」として確定申告に分類されます。
確定申告をする際には、正確に経費を計上することが重要です。確定申告の目的は、「所得を明確にし、納税額を確定する」ことです。所得は「利益-経費」のシンプルな計算式で求められます。経費が多いほど所得が減少し、それに基づく納税額も少なくなります。
すべての経費を正確に計上することは、「適法な手段で節税する」ことになります。不正な手段であれば「脱税」となりますが、適切に経費を計上すれば法に抵触することはありません。漏れなくすべての経費を計上し、申告することで節税につなげましょう。ここでは、節税可能な税金をご紹介します。
所得税
所得税は、必要経費を増やすことで節税が可能になります。これは、不動産所得の金額が所得税の課税対象額となるためです。不動産所得の計算式は次の通りです。
総収入金額 – 必要経費 = 不動産所得の金額
そのため、必要経費が増えるほど、課税対象となる所得が減少し、納めるべき所得税も軽減されます。
さらに、小規模企業共済制度を活用することでも所得税の節税が可能です。「小規模企業共済制度」とは、個人事業主が積立金に応じた共済金を受け取ることができる退職金制度であり、この掛金の全額が所得控除の対象となります。
住民税
不動産投資における住民税の節税は、「損益通算」を利用することで実現可能です。損益通算とは、異なる種類の所得の利益と損失を合計し、その結果に対して課税が行われる制度です。
具体的には、給与所得と不動産所得を損益通算することができるため、不動産所得が赤字の場合、そのマイナス分を給与所得から差し引くことができます。これにより、住民税の課税対象となる所得を減らすことができ、結果として住民税の節税につながります。
都市計画税
都市計画税は、都市計画事業や土地区画整理事業などの費用に充てられる地方税です。毎年1月1日時点で不動産を所有している場合に課税されます。都市計画税の課税標準額は基本的に「固定資産税評価額」と同じですが、特例措置などの軽減率が異なる場合があります。
税額は市区町村が評価方法に基づいて決定し、土地や建物の価値が高いほど、固定資産税や都市計画税の額も高くなります。しかし、「市街化調整区域」の場合、都市計画税は課税されません。
また、更地にアパートを建てると、「住宅用地の減免」という優遇制度により、都市計画税が安くなります。これは、課税標準が減額されるためです。
固定資産税
何もない土地を相続した場合、マンションなどの賃貸物件を建設すると、評価が低くなります。これは、更地やマイホーム建設の場合と比較して、土地だけでなく建物自体の評価も影響を受けるためです。賃貸物件の場合、自己所有の持ち家と比較して評価はおよそ7割に下がります。
このように賃貸物件を建てると、固定資産としての評価が大きく下がり、その結果、固定資産税も軽減されます。
節税のポイント
ここでは、節税対策に役立つコツを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
損益通算を利用する
アパート経営やマンション経営による不動産投資で所得が赤字となった場合、本業で給与所得がある方は、給与所得から源泉徴収されている所得税の還付を受けられる大きなメリットがあります。これは、不動産所得の損失を他の黒字所得と通算して課税所得を計算できるためです。これが損益通算です。
ただし、損益通算が可能な所得は限られており、不動産所得はその一つです。ただし、不動産所得の中でも、土地取得に係る借入金利子部分や、分離課税対象の譲渡所得(土地建物など)の計算上生じた損失は対象外となるので注意が必要です。
また、所得税が軽減されることで、軽減された所得税を基に計算される翌年の住民税も軽減されます。このような損益通算による節税効果は、確定申告によって得られます。したがって、個人事業主にとって確定申告は収支の鍵を握る重要なポイントとなります。
青色申告を利用する
5棟10室以上のアパートを保有している場合、アパート経営を始めてから2か月以内に青色申告申請書を提出することで、毎年の確定申告を青色申告で行うことができます。
青色申告を利用することで、以下のような多くのメリットを享受できます。
・所得から65万円の控除を受けられる
・専従従事者の給与を全額経費として計上できる
・最大3年間、損失を繰り越すことができる
青色申告を行うためには、複式簿記などの少し複雑な記帳方法が必要ですが、その分のリターンは大きいです。そのため、青色申告を勉強して実践することをおすすめします。
さらに、青色申告の特典を最大限に活用するためには、個人事業主として開業することが推奨されます。また、アパート経営の収入が増え、課税所得が900万円を超えた場合は法人化を検討することが有利です。
個人の場合、課税所得が900万円を超えると所得税率は33%ですが、法人の場合、最高税率は23.4%に留まります。加えて、赤字が発生した場合でも、法人では最大9年間繰り越すことが可能で、個人の3年に比べて大きな余裕を持ってアパート経営を続けることができます。
法人化には一定の手間と費用がかかりますが、それを差し引いても節税対策として十分なメリットがあると言えるでしょう。