竣 工 2002年11月
最寄駅 赤坂見附駅徒歩1分
総戸数 125戸
住 所 東京都千代田区永田町2-13-14
概 要 地上38階 地下3階 SRC造
■物件名フリガナ
プルデンシャルタワーレジデンス
■近隣周辺施設情報
プルデンシャルタワーまで約130m
まいばすけっと赤坂3丁目店まで約410m
セブンイレブンプルデンシャルタワー店まで約100m
スギ薬局赤坂見附店まで約290m
ビックカメラ赤坂見附駅店まで約280m
スターバックスコーヒー赤坂プルデンシャルタワー店まで約20m
東急プラザ赤坂まで約140m
紀尾井テラスまで約460m
泉ガーデンまで約1590m
東京ミッドタウンまで約1620m
物件名 | プルデンシャルタワーレジデンス | ||
---|---|---|---|
所在地 | 東京都千代田区永田町2-13-14 | ||
最寄駅 | 東京メトロ丸ノ内線「赤坂見附駅」徒歩1分 東京メトロ銀座線「赤坂見附駅」徒歩1分 東京メトロ南北線「永田町駅」徒歩2分 東京メトロ南北線「溜池山王駅」徒歩7分 東京メトロ千代田線「赤坂駅」徒歩9分 | ||
物件特徴 | REIT系ブランドマンション、タワーマンション、デザイナーズ、ペット可 | ||
構造規模 | 制震構造 地上38階 地下3階 SRC造 | ||
総戸数 | 125戸 | 築年月 | 2002年11月 |
賃料 | 402,000円 – 475,000円 | 管理費 | 20,000円 – 20,000円 |
間取り | 1LDK – 1LDK | 専有面積 | 71.49m2 – 75.50m2 |
問合番号 | 4687 |
■駐車場 198台(機械式)
■バイク置場 有
■駐輪場 有
―――――――
■設 計 大成建設株式会社
■施 工 大成建設株式会社
■管理形式 常駐管理
―――――――
■保 険 借家人賠償付き火災保険要加入
■ペット 相談(敷1積増)
■楽 器 不可
■保証会社 利用必須(※大手法人契約の場合、例外あり)
初回保証委託料/月額賃料等の30%~50%
年間継続料/0.8万円~1.0万円
―――――――
■間取り
□1LDK~3LDK(56.39㎡~164.22㎡)
―――――――
■共用施設
□1階 フロントサービス/バイリンガル対応
□2階 フィットネス
0120-139-692 内覧予約・空室確認・初期費用お見積りなど、お気軽に
お問い合わせくださいませ。(※電話受付 24時間 年中無休)
持ち家の活用として賃貸を行うか、または売却を選択するかは大きな問題になります。
賃貸と売却にはそれぞれメリットとデメリットがあり、状況によってどちらがいいか変わってきます。
賃貸の場合は、毎月の家賃収入が得られ、長期的な視点で見れば売却よりも収益が大きくなる可能性があります。
また、必要に応じて自ら居住することも可能で、将来の生活に選択肢が残されているという安心感があります。
一方で売却の場合は、一時的に大きな現金を得られるのがメリットです。
一時金は、老後資金の確保や子供の教育資金、事業投資など、様々な用途に活用できます。
どちらがいいかを総合的に判断する際、以下のような点を考慮することが重要です。
現在の収入状況と生活費の見通し
老後の生活設計とその資金の目途
持ち家の立地環境や資産価値、収益性の見通し
持ち家を手放したくないかどうかの意思
入居者の管理やトラブルへの対応能力
収入の状況、資金計画、持ち家の将来性、管理能力などを総合的に勘案し、賃貸と売却のどちらがいいかを慎重に判断する必要があります。
家を貸すメリットとデメリット
では、賃貸を行う場合のメリットとデメリットを具体的に確認しましょう。
家を貸すメリット①家賃収入
賃貸の大きなメリットは、継続的な家賃収入を得られることです。
毎月一定額の収入が入ってくるため、生活費の足しにもなれば、将来の資金としても活用できます。
このように安定した収入源があるということは、経済的な余裕のみならず、精神的な安らぎももたらします。
また、定期的な家賃収入があれば、将来の見通しがたてやすくなります。
転職や起業、資産形成など、自由度の高い人生設計が可能になるでしょう。
一定の収入が保証されていれば、人生の目標に向かってリスクを取ることもできます。
つまり、賃貸による家賃収入は、経済的な側面だけでなく、精神的な豊かさや人生の自由度を高め、
ゆとりある生活とより幅広い可能性を提供してくれるのです。
家を貸すメリット②また住むことができる
その他の賃貸のメリットとしては、オーナー様が将来的にまた持ち家に住むことができる点です。
不動産を売却した場合には持ち家を完全に手放すことになりますが、賃貸なら状況が変わった際に自宅として再度活用できます。
例えば、親の介護が必要になった場合や、子育てが一段落したタイミングでの住み替え、会社の退職といった状況が考えられます。
環境の変化に柔軟に対応できるのは大きな強みといえるでしょう。
また住めるということには、リスクヘッジの意味合いもあります。
一つの資産に依存するのではなく複数の選択肢を持っておけば、不測の事態に備えられます。
このようなリスク分散の効果も、賃貸のメリットの一つと言えます。
家を貸すデメリット①入居者とのトラブル
一方、賃貸のデメリットは、入居者とのトラブルの可能性があることです。
家賃の支払い遅延、敷金の清算トラブル、家財の損壊、近隣とのトラブル、暴力団関係者の入居など、内容は多岐にわたります。
金銭的な損失はもちろん、精神的・肉体的な負担も避けられません。
自力で対応するのは大変な労力を要し困難です。
有事の際には警備会社などへの手配が必要になる可能性もあります。
近年は自治体を通じた入居者とのトラブル防止の支援制度が整備されつつありますが、完全にリスクを無くすことはできません。
後述する不動産管理会社に業務委託をしたり、サブリースなどの契約形態を取れば、トラブルリスクの分散はできますが、コストが掛かります。
つまり、トラブル防止とコストのバランスを考える必要があり、判断は簡単ではありません。
オーナー様のリスク許容度を踏まえて、対策を立てることが不可欠です。
家を貸すデメリット②リフォームや不動産管理会社への費用が掛かる
さらに賃貸では、様々な出費が予想されます。
入居者の入れ替わり時のリフォーム費用、定期的な修繕費、固定資産税などの税金といった、経常的な費用が発生します。
また、不動産管理会社に業務委託する場合は、毎月の管理会社手数料が発生します。
会社によってサービス内容は異なりますが、概ね家賃収入の3~5%が手数料の相場になります。
これらの費用を家賃収入から差し引いた残りが、実際のオーナー様の収入(手残り)となります。
運用期間が長期になればなるほど、これらの経費の総額は無視できない金額になってきます。
賃貸においては、こうした出費への備えが重要になります。
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売却のメリットとデメリット
次に、持ち家を売却した場合のメリットとデメリットを確認しましょう。
売却のメリット①大きな現金収入が得られる
売却の最大のメリットは、一時的に大きな現金収入が得られることです。
持ち家の時価相当額の売却代金が一括して手元に入ってくるため、その資金を様々な用途に活用できます。
家を貸す場合と比べ、ずっと大きな金額を一時に調達できるのが売却の大きなメリットです。
例えば、子供の大学等への進学資金、新車や高額な買い物の購入費用、事業への投資や新規開業資金、住宅ローンや借入金の一括返済など、様々な目的に費用を充てることができます。
また、老後の生活資金を確保するため、売却代金の一部または全額を年金などに組み入れる手段としても活用できます。
加えて、相続対策として持ち家を売却し、売却代金を現金化しておくことも可能です。
持ち家を相続する場合より、現金の方が相続税の計算が簡単で有利な面があります。
このように、現金が一時的に大量に必要となるタイミングでは、不動産売却が最も合理的で効果的な選択肢になり得ます。一括で大きな資金を調達できる点が、売却の最大の魅力といえるでしょう。
売却のメリット②家を貸すための手間や管理コストが掛からない
家を貸さないことで、入居者対応や物件管理に伴う手間や管理コストを抑えられるのもメリットの一つです。
賃貸経営には、入居者募集から審査、契約締結、入居後の管理など多岐にわたる業務が必要となります。
特に高齢者や遠方在住者にとって、入居者対応は肉体的・精神的負担が大きくなる可能性があります。
また、賃貸期間中は修繕費、清掃費などの維持管理コストが継続的に発生するほか、
固定資産税などの税金の支払いも必要になりますが、売却すればこれらの経費の支払いが不要になります。
売却のデメリット①家を手放すことになる
一方で売却のデメリットは、持ち家を完全に手放してしまうことです。
将来的な利用価値がある場合や、持ち家への思い入れが強ければ、売却は避けたい選択になるでしょう。
特に立地条件が良く、周辺の価値が将来的に上がると予想される持ち家であれば、長期的視点で賃貸を検討する方が賢明です。
一旦売却してしまえば、将来享受できたはずの高い資産価値を手放すことになってしまいます。
好立地の物件は需要が高く、賃貸による家賃収入も見込めます。
また、賃貸の場合は、親の介護や子育て環境の変化、あるいは仕事の都合など、状況次第で持ち家に将来戻ることが可能ですが、
一度売却をしてしまえば、手放したかつてのマイホームに二度と戻れないリスクが生じてしまいます。
住み慣れた地域や、思い出の詰まったマイホームを完全に失うことになります。
さらには、良質な物件ほど希少価値が高く、同等の物件を探すことが難しくなります。
売却してしまえば、また同じ物件を購入するのは容易ではありません。
物件の質や立地条件を考えると、同水準の物件は見つからない可能性も高いのです。
つまり、将来の利用価値、思い入れ、希少性など、様々な観点から物件を精査し、売却以外の選択肢も慎重に検討する必要があります。
長期的な視野で物件の価値を見極め、賢明な判断を下すことが重要となります。
売却のデメリット②ローンが残る可能性がある
持ち家に住宅ローンなどの借入金が残っている場合、売却代金からその残債を完済する必要があります。
特に新築や築浅の戸建て住宅では、ローン残高が高額になることが多く、ローンが残ってしまうケースが多くみられます。
持ち家の売却額がローン残高を下回れば、売却代金からローン残債を払い終えた後に手元に残る現金はゼロになってしまいます。売却の最大のメリットである一時的な大きな現金収入を得られないため、
売却の目的が子供の教育資金の確保や、新規事業への投資資金の調達など、一時金が必要な場合には、重大なデメリットとなります。
このような場合、賃貸収入から毎月の返済を続けながら、徐々にローン残高を減らしつつ、将来的な有利な売却のタイミングを見計らうという選択肢も考えられます。
完済時期を待ってから売却すれば、ローン残債の心配なく売却代金の大部分を現金化できるためです。
ただし、その間の賃貸収入をどう活用するかという観点も重要になります。
賃貸収入を蓄えて売却後の現金に上乗せするのか、生活費に充てていくのかによっても損得は変わってきます。
このように、ローン残債の有無は売却を検討する上で重大なポイントとなります。
売却目的に合わせてローン完済の時期や方法を、慎重に検討する必要があるでしょう。
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家を貸す方がおすすめの場合
以上の比較から、概ね次のようなケースでは賃貸の方がおすすめだと言えるでしょう。
持ち家の立地条件や資産価値が高く、長期的に保有したい
持ち家から一定の家賃収入が見込め、手元資金も十分にある
管理コストや入居者対応への手間をまかなえる体制がある
親の介護や子育ての終了後、再び持ち家に住む可能性がある
つまり、収入面での安定性が見込めており、かつ長期的な運用のメリットが売却による一時金を上回るような場合が該当します。
立地条件や資産価値の高い持ち家ほど、賃貸による恩恵は大きくなるでしょう。
また、高齢でも賃貸管理業務を不動産会社に委託するなどの工夫により、管理の手間を最小限に抑えることもできます。
収入と手間のバランスを考えれば、賃貸が合理的な選択になる可能性は高くなります。
売却の方がおすすめの場合
一方で、次のようなケースでは売却を検討すべきでしょう。
賃貸収入の予測が不安定で、管理コストが重荷になる
立地などから見て持ち家の資産価値が高くない
管理業務などの手間を一切かけたくない
別の投資を検討しており資金が必要
持ち家に再度住む可能性がない
つまり、手元資金が乏しく一時金を確保する必要がある場合や、持ち家の長期的な収益性が見込めない場合などです。
現金収入を一時金として得た方が有利と判断できれば、売却を選択する理由になります。
このように、手元資金の状況、持ち家の将来性、管理の手間などを総合的に勘案し、売却か賃貸かを判断する必要があります。
家を貸す前に知っておくべきこととは?
持ち家を賃貸すると決めた場合、具体的なやり方や注意点を理解する必要があります。
十分な準備と対策を行わないと、収支が思わしくなくなったり、トラブルに巻き込まれたりといったケースが出てくるでしょう。
【家を貸す際の注意点①】家を貸す期間と契約期間
賃貸借契約を結ぶ際、まず検討すべきは期間の設定です。
普通借家契約と定期借家契約の違いについて確認しましょう。
普通借家契約
普通借家契約は、最も一般的な賃貸借契約の形態です。
契約期間は通常2年間で設定され、期間満了後も入居者が希望すれば更新する形になります。
この契約形態のメリットは、長期的に安定した家賃収入が見込めることです。
入居者側から特に意思表示がない限り、2年毎に自動的に契約が更新されるため、空室リスクが抑えられます。
一方でデメリットは、オーナー様は正当な事由がない限り、オーナー様都合では入居者を退去させることができない点です。この正当な事由というものが非常にネックで、認められるために高額な立ち退き料が必要となった判例もあります。
定期借家契約
定期借家契約は、契約期間の始期と終期が明確に決められた契約形態です。
この期間が満了すれば、契約は必ず終了します。
最大のメリットは、契約期間の満了時には入居者が必ず退去することです。
そのため、入居者によって左右されない、 物件の計画的な運用が可能になります。
デメリットは契約期間が過ぎると入居者の入れ替わりが生じることになり、一時的に空室が発生することです。
定期的に新規の入居者を見つける手間と、その間の賃料ロスが避けられません。
(ただし、オーナー様と入居者の双方合意のもと、新たに契約を締結すれば、入居が継続した状態となり、結果的に入れ替わりの手間はなくなります。)
いずれの契約形態を選ぶかは、想定する入居者層や立地条件、運用方針などによって異なります。
物件の人気具合や、入居者の目的(転勤用か長期居住用かなど)を踏まえて、検討する必要があります。
【家を貸す際の注意点②】物件の管理方法
次に重要なのが、物件の管理方法の選択です。
主な選択肢は以下の4つです。
自主管理
自主管理は、物件のオーナー様が入居者との窓口となり、全ての管理業務を直接行います。
経費を最小限に抑えられるというメリットがある一方で、様々な業務を自ら行う必要があり、入居者対応などの手間が非常に大きくなります。
具体的には、入居者から修繕の依頼があった際の対応、月々の家賃収納、入退去時の現場確認と立会い、
空室が出た際の次の入居者募集広告の出稿、さらには内見の対応など、多岐にわたる業務が発生します。
そのため、自主管理を行う場合は、日々発生する様々なトラブルに適切に対処できる能力が求められます。
入居者からのクレームへの対応力や、法的なトラブルが発生した際の知識、建物の修繕に関する専門知識なども必要不可欠です。
さらに、空室時の入居者募集活動についても、自らが広告の作成や電話対応など全てを行わなければなりません。
このように、自主管理方式では経費は最小限で済みますが、代わりに多くの時間と手間、様々な専門知識が要求されます。
物件の管理運営を完全に一手に担うことになるため、オーナー様の経験と能力が大きく問われる管理方法といえます。
不動産管理会社へ委託
不動産管理会社へ賃貸管理業務を包括的に委託する方法で、現在多くのオーナー様が選ばれている管理方法です。
管理会社へ毎月の手数料を支払うことによって、入居者対応、家賃の徴収、修繕対応、入退去時の立会いなどの様々な業務を一任することができます。
管理会社への委託は自主管理で生じる膨大な作業から解放されるメリットがあります。
また、専門業者に任せることで、トラブル発生時の適切な対応が期待できます。
入居者からのクレームに対して円滑な対処や、法的な問題が起きた際の的確な手続きなどが、管理会社の専門知識によってサポートされます。
さらに、24時間体制での対応や、土日祝日の対応も可能になるなど、オーナー様が行うよりもより手厚いサポートを受けられるメリットもあります。
他にも入居者の募集営業から審査、契約業務までを一貫して任せられるため、空室へのスピーディな対応も期待できます。
このように管理会社への委託には、作業の外注化と専門家によるサポートが受けられるメリットがあります。
サブリース
サブリース契約とは、オーナー様と不動産会社の間で結ばれる契約で、不動産会社が一旦入居者となって物件を借り上げ、オーナー様に家賃を支払う契約形態のことです。
不動産会社は別途入居者を募集し、入居者から家賃収入を得ます。
サブリースのメリットは、不動産会社による一定の家賃収入が約束されることです。
一企業である以上、一個人の入居者に比べて信頼性は高く、また管理の手間が楽になることも多いです。
一方でデメリットは、不動産会社を間に挟むため、家賃収入が低くなる傾向にあります。
加えて、不動産会社の経営状況次第では契約解除となる可能性もあり、リスクを完全に回避できるわけではありません。
リロケーション
リロケーションとは、転勤や海外赴任などで長期間物件を離れざるを得ない間、一時的に家を貸すことです。
賃貸に出すことで、空室のままでは価値を生みだすことのない部屋を、家賃収入源として有効活用できます。
また、長期間の空室は防犯上のリスクが高まりますが、居住によりそうした不安からも解消されます。
さらに、不在期間終了後は確実に自宅に戻れるというメリットもあります。
リロケーション制度を利用する場合は、賃貸借契約を適切に結ぶ必要があります。
契約期間、家賃、保証金、原状回復義務など、きちんと取り決めをしておくことが重要です。
そのためには、信頼できる不動産会社に依頼して、適切な入居者を見つけることが大切なポイントです。
このように、管理方法によって手間や収支のバランスは大きく異なります。
それぞれのメリットとデメリットを理解し、オーナー様のニーズと合致する方法を選ぶ必要があります。
【家を貸す注意点③】お金の管理
賃貸経営においては、お金の管理についても理解が欠かせません。
家を貸す場合の収入
オーナー様が得られる収入は主に月々の家賃収入のみとなります。
敷金は返還が原則で、礼金の設定も減少傾向にあるため、収入源から除外して考える必要があります。
また、家賃収入自体も、物件の立地、広さ、築年数、設備状況などにより変動します。
賃貸募集時の需要と供給のバランスによっても変化するため、市況を常に把握しておくことが大切です。
家を貸すか、売却するかを決める前に先ずはそれぞれ査定を行うこともおすすめです。
家を貸す際にかかる費用
家を貸す際にかかる費用は、建物の清掃費、火災保険料、固定資産税など様々な項目があり、不動産管理会社に委託する場合は、さらに管理手数料が発生します。
さらに10年から20年に一度の大規模修繕の費用も考慮が必要です。
外壁の修繕や、給湯器の更新、ベランダの防水工事など、建物の大規模修繕は高額になる可能性があります。
こうした費用をどのように準備・調達するかが賃貸経営上の大きな課題となります。
一定額を積み立てていく方法や、ローンを組む方法など、物件の状況に合わせて対策を検討する必要があります。
賃貸経営は決して短期的な取り組みではありません。物件の将来的な資産価値の維持・向上にもつながる長期的な視点が不可欠なのです。
住宅ローンを確認する。
住宅ローンに残債がある場合、完済できるかどうかの確認が必要です。
賃貸経営を行う上で、残債の有無と金額は大きな影響があります。
まず、残債がない場合は、家賃収入をすべて収益として受け取ることができます。
一方で残債がある場合は、一定額を毎月ローンの返済に充てる必要があり、手取り収入は減ります。
残債の金額が大きければ大きいほど、賃貸収入からローン返済に回す額も多くなります。
したがって、将来的にはローンを完済し、純粋な賃貸収益を得られるようにすることが理想的です。
また、残債を完済するためには、一定期間は収支がマイナスになることも覚悟しなければなりません。
その期間を乗り切れるだけの資金的な余裕があるかどうかも、事前に確認しておくべきポイントです。
残債の有無に加え、金利や返済期間、毎月の返済額などを総合的に検討し、資金的な余裕も勘案した上で、適切な対応を決める必要があります。
不動産会社や金融機関にも相談し、アドバイスを受けながら検討を進めることをおすすめします。
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税金と確定申告
家賃収入には所得税が課税されるため、確定申告が必要です。
賃貸経営から得られる収入は、不動産所得として扱われます。
家賃収入から必要経費を差し引いた金額が、課税対象となる不動産所得に該当します。
必要経費に算入できる費用は、修繕費、管理費、減価償却費、火災保険料、固定資産税といった賃貸経営に係る費用に限られます。
不動産所得に対して支払う税金は決して無視できる金額ではありません。
税理士などの専門家に相談して、まずは確定申告を怠らず、併せて節税対策も考慮に入れることが重要です。
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家を貸すまでの流れとは?
ここからは、家を貸すまでの流れを確認しましょう。
①契約期間や管理方法を決める
家を貸すには、はじめに契約期間を決めます。
入居者のニーズをよく把握することが重要で、転勤で短期間しか住めない人もいれば、長期的に住み続けたい人もいます。
ニーズに合わせた契約期間を設定する必要があります。
そして、想定する入居者層や物件の人気具合、長期運用する意向があるかどうかなども勘案し、
普通借家契約または定期借家契約に決めましょう。
次に、物件の管理方法を決めます。
自主管理、管理会社委託、サブリース、リロケーションなど、オーナー様のニーズに合わせて選択しましょう。
収入の安定性、コスト、手間のかかり具合などを比較検討し、最適な管理方法を見極める必要があります。
②不動産管理会社を探す
不動産管理会社に業務委託する場合は、複数の会社から提案を受け、比較検討する必要があります。
手数料水準、サービス内容、体制、地域の実績など、様々な観点から会社を評価することになります。
実際に物件を見てもらい、報酬や対応内容を確認しましょう。
また、不動産会社によって査定金額も異なりますので、複数社に同時見積もりを行うことも大切です。
また、会社の代理店網やサポート体制、空室期間中の対応力なども、トラブル防止の観点から重要なチェックポイントとなります。
オーナー様の目線で総合的にコストとメリットを判断し、パートナーとなる会社を選ぶ必要があります。
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③家を貸す条件を決める
次に、どのような条件で家を貸すかを決める必要があります。
周辺の賃貸相場を参考にしつつ、物件の立地、間取り、設備の状態なども勘案して、
現実的でありながら収益性の高い家賃水準を設定する必要があります。
敷金や礼金の有無、契約期間なども想定入居者に合わせて決めていきます。
併せて、ペット可や駐車場の有無など、受け入れ条件についても検討が必要です。
こうした条件が整理できれば、物件の魅力がより明確となって、入居する希望者も増えることでしょう。
④家を貸すために必要な準備をする(クリーニング)
条件設定が整ったら、次は入居者募集に向けて物件の状態を整えるため、室内のクリーニングを行う必要があります。
空室時の室内の様子をきちんと確認し、必要に応じて修繕やリフォームも行います。
畳の表替えや壁の塗り替え、キッチンや浴室の水廻りの修繕などは、費用がかさむ場合もあるでしょう。
古くなった設備の入替えや、間取り変更のための増改築なども、このタイミングで検討する必要があります。
物件の状態が悪いほど、費用は高額になる可能性があります。
しかし、良好な状態である物件は入居者の確保が容易になり、結果として掛かった費用が投資としての効果を発揮するはずです。
この準備期間は十分に見込んでおかないと、スムーズな入居者募集ができない可能性があります。
リフォームなどを考えれば2カ月程度の期間を見込む必要があるでしょう。
⑤入居者の募集・審査
物件の状態が整い次第、いよいよ本格的な入居者募集の段階に入ります。
主な方法として、不動産会社の営業窓口や、インターネット広告での募集が一般的です。
募集開始後は、応募者への対応や入居審査が欠かせません。
審査では、支払い能力の確認をはじめ、入居が不適切だと判断される要因がないかなど、リスク回避の観点から慎重なチェックが必要不可欠です。
例えば、家賃滞納の経歴や債務超過、暴力団関係者である可能性など、確認すべき点は多岐にわたります。
高額な敷金設定や、身元確認の徹底なども、対策として有効です。
自主管理の場合はオーナー様がこうした審査を行う必要がありますが、知識や経験の少ないオーナー様にとっては負担が大きい作業になります。
不動産管理会社に委託すれば、こうした審査も代行してくれます。
⑥賃貸契約の手続き
入居者が決まれば次は賃貸契約へと進みます。
契約内容を改めて確認し、オーナー様と入居者で賃貸借契約書へサインをします。
契約時には、家賃のほかに敷金・礼金、そして不動産管理会社への仲介手数料などの精算が行われます。
不動産会社を介した場合は会社経由で契約手続きが進行するので、オーナー様は会社の指示に従えば良いでしょう。
契約が済んだ後は、物件の鍵の受渡しと、室内の現状確認を行います。
こうして、ようやく新しい入居者への貸し出しが実現します。
実際の入居開始までには、かなりの準備期間とスケジュール管理が必要になります。
スムーズに運ぶためには、各段階での手続きを確実に行うことが肝心です。
家を貸すなら不動産のプロに相談しよう
ここまで家を貸す際の具体的な流れと注意点を解説してきました。
初めての方には難しい部分も多いかもしれません。
そこで、事前に不動産会社の専門家に相談することおすすめします。
不動産会社の担当者は、地域の相場感や法令に関する知識、豊富な経験から、最適な提案をしてくれるはずです。
一人で判断材料を集めるのは大変な作業です。
賃貸経営に関する疑問や不安があれば、積極的に不動産のプロに相談するべきでしょう。
アドバイスを受けることで、リスクを最小限に抑え、よりスムーズな賃貸経営が期待できます。
よくあるご質問
最後に、賃貸に関するよくある質問とその回答を紹介します。
質問①不動産管理会社に依頼する場合に、どんな基準で管理会社を選べばいいの?
不動産管理会社を選ぶ際のポイントは主に3つあります。
実績と信頼性
会社の規模や実績、代理店網の広さ、従業員の対応力など、総合的な信頼性があるか。
サービス内容と手数料
提供サービスの範囲や質と、実際に発生する報酬・手数料のバランスが適正であるか。
トラブル対応力
空室期間中の対応や、入居者とのトラブル発生時の対処能力が備わっているか。
複数の会社を比較検討し、これらの観点から会社を評価、選定する必要があります。
丁寧なヒアリングと、オーナー様目線での総合判断が何より大切です。
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質問②入居者が家賃の滞納をした場合は、家賃収入は入らないの?
家賃保証会社への加入がない場合は基本的には入居者が払うまで、家賃収入は入りません。
自主管理の場合は、オーナー様が滞納者へ請求を行い、支払いを求める必要があります。
支払いが滞れば、必要に応じて内容証明の送付や、場合によっては法的措置を検討しなければなりません。
滞納が長期化してしまうと、賃貸経営にも深刻な影響を与えかねません。
一方、不動産管理会社に委託している場合、通常は会社が入居者への家賃請求から債権回収までを代行してくれます。
会社によっては、家賃を保証しているケースもありますので、自主管理よりも滞納によるリスクは低いといえるでしょう。
家賃滞納へのリスクヘッジとしては、入居者に対して入居時の条件に、家賃保証会社の利用を義務付けるなどの対策が考えられます。
ただし、長期の滞納が発生すれば、各会社による保証の範囲を超える可能性もあり、
結果的に法的措置などオーナー様の対応が必要になることもあります。
※掲載情報が現況と異なる場合は、現況を優先させていただきます。
※各種キャンペーン情報は予告なく変更・終了する場合がございます。事前に必ず募集条件をご確認くださいませ。
※各部屋毎に敷金・礼金・キャンペーンの内容が異なる場合がございます。詳細は各部屋ページをご確認くださいませ。
※分譲マンションの場合、各所有者様毎に室内の内装・設備が変更されている場合がございます。
※分譲マンションの場合、建物自体が許可していても各所有者様毎に室内のペット飼育・SOHO 利用について禁止の場合がございます。
※各詳細については、メールまたはお電話にて、お気軽にお問い合わせくださいませ。
結論として、個人で家を貸すことは可能です。例えば、転勤中に自宅が空いてしまった場合や、相続した実家に住む予定がない場合、さらには賃貸用に購入した物件を活用する場合が考えられます。しかし、家を貸す際には様々な業務が発生します。これらの業務を全て自分で行う方法を「自主管理」と呼びます。
自主管理を選択する場合、以下のような定期的な作業や入退去に伴う業務を自分で行わなければなりません。
【定期的な作業】
・建物内外の点検(設備、漏水、損傷等の確認)
・修繕が必要な場合の業者への依頼
・家賃の請求および入金確認
・入居者からの問い合わせやトラブル対応
【入退去に伴う作業】
・退去時の原状回復確認
・新規入居者の募集広告作成
・賃貸借契約の締結手続き
これらの作業を全て自分で行うことで、管理会社への手数料を節約できるというメリットがありますが、その反面、多大な労力がかかるというデメリットもあります。
初めて賃貸経営を行う方や、副業として考えている方には、管理会社に管理業務を委託することをおすすめします。管理会社に委託することで、建物の維持管理や入居者対応、契約手続き、空室期間中の広告活動などをプロに任せることができ、手間を大幅に軽減できます。
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個人で家を貸すメリット
まず、自宅や空き家を貸し出す際のメリットについて見ていきましょう。
定期的に収入が得られる
家を貸す最大のメリットは、毎月安定した家賃収入が得られる点です。特に一戸建ての物件では、ファミリー層が入居する可能性が高く、長期間にわたる安定した収入が期待できます。ファミリー層は単身者に比べて長期の居住が一般的であるため、賃料の安定性が増します。
また、家を所有しているだけでも固定資産税や都市計画税などの税金が発生しますが、賃貸に出すことで家賃収入でこれらの税金をカバーできる可能性があります。何もせずに空き家として維持するよりも、家を賃貸に出すことで税金負担を軽減しながら収入を得られる点は、大きなメリットと言えるでしょう。
副業として認めらるケースが多い
副業が禁止されている会社であっても、不動産賃貸業は例外的に認められることが多いです。特に、サラリーマンが親からアパート経営を相続した場合など、不動産賃貸業は通常の副業とは異なり、労働時間に大きく影響を与えないため、許可されることが一般的です。
この背景には、「家賃収入は不労所得であり、本業に与える影響が少ない」という理由があります。また、親から受け継いだ賃貸物件を運営する場合など、個人的な事情が考慮されることもあります。そのため、基本的に不動産賃貸業は認められることが多いですが、実際に家を貸し始める前に、会社の了解を得ておくことが重要です。
ただし、賃貸経営が拡大し、一定の規模を超えた場合には、副業ではなく事業として見なされることがあります。この判断基準には、以下の条件が含まれます。
・独立した家屋をおおむね5棟以上貸している
・マンションなどの独立した部屋をおおむね10室以上貸している
参考:No.1373 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分(国税庁)
これらの条件に該当する場合、事業税が適用され、所得に対して5%の税率が課される可能性があります。会社員として副業で賃貸経営を行う場合、この規模を超えないようにすることが重要です。
公務員の場合、不動産賃貸が副業とみなされるかどうかは、さらに厳格な基準で判断されます。具体的には、以下の条件に該当する場合に、副業とみなされる可能性があります。
・年間家賃収入が500万円以上
・独立家屋を5棟以上所有している
・独立的に区画された物件を10室以上所有している
・駐車台数が10台以上の駐車場
・土地の賃貸契約件数が10件以上
参考:人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について
このように、副業として賃貸経営を考える際には、自分が所属する会社や公務員としての職務規定に合致しているかどうかを確認することが大切です。また、事前に確認しておくことで、後からトラブルになることを防げます。
不動産という資産を保有し続けれる
家を賃貸に出すことで、不動産という資産を手放すことなく、保有し続けることができます。将来的に再び自分が住む予定がある場合や、相続する予定がある場合、売却せずに賃貸に出すことで資産を維持しつつ収入を得ることが可能です。また、不動産市場が上向きになった際には、資産価値が上がる可能性もあります。これは、売却してしまうと得られないメリットの一つです。
節税効果がある
不動産投資は節税効果も期待できます。家賃収入に対する税金の負担が増えることもありますが、同時に物件の修繕費や管理費、さらに減価償却費などが経費として計上できるため、課税対象となる所得を減らすことができます。特に、築年数が経過した物件の場合、減価償却による節税効果は大きくなります。これにより、結果的に手元に残る収入が増える可能性があります。
家を貸し出すことによって得られるこれらのメリットを最大限に活用することで、個人の資産運用をより効果的に行うことができます。
個人で家を貸すデメリット
家を貸し出す際には、いくつかのデメリットも考慮しなければなりません。以下にその主なポイントを解説します。
空室のリスクが常に伴う
家を貸す場合、必ずしも入居者がすぐに見つかるとは限らず、空室が続くリスクが常に存在します。家を所有しているだけでも、固定資産税や都市計画税などの維持費が発生しますが、入居者がいなければ家賃収入は得られず、これらの費用が負担となります。
特に、物件の立地が悪い場合や、家賃が近隣相場と比較して高すぎる場合には、入居者が見つかりにくく、空室期間が長引く可能性があります。また、設備や間取りが現代のニーズに合わない場合も、人気が出にくくなります。空室が長期間続くと、計画していた収益が得られず、資金繰りが厳しくなることも考えられます。
空室リスクを最小限に抑えるためには、物件の立地や市場の需要を正確に把握し、適切な家賃設定を行うことが重要です。さらに、空室対策として入居者募集のタイミングや広告手法を工夫したり、物件の魅力を高めるために設備投資を行うことも有効な対策となります。
家を貸すためのコストがかかる
賃貸経営には、さまざまなコストが伴います。特に、物件が古くなるにつれて修繕費用がかさみ、大規模な改修工事が必要になることもあります。例えば、屋根や外壁の修繕、設備の更新、内装のリフォームなどが挙げられます。こうした費用は予測が難しく、一度に多額の出費となる可能性があります。
賃貸経営を安定させるためには、これらの修繕費を事前に計画し、資金を準備しておくことが求められます。また、定期的な点検を行い、小さな損傷のうちに修理することで、後々の大規模修繕を防ぐことができます。管理コストを抑えるためには、定期的に自分で物件をチェックし、必要な対応を迅速に行うことが効果的です。
さらに、不動産管理会社に物件の管理を委託する場合は、月々の管理手数料が発生します。この手数料は家賃収入から差し引かれるため、収益に影響を与える要素となります。管理会社を選ぶ際には、手数料とサービス内容を比較し、コストパフォーマンスを考慮して選定することが大切です。
入居者・管理会社とトラブルの可能性がある
賃貸経営においては、入居者や管理会社とのトラブルが発生する可能性があります。入居者との間では、家賃の未払い、物件の破損、騒音問題など、さまざまなトラブルが考えられます。また、管理会社との間で契約内容や対応について意見の相違が生じることもありえます。
これらのトラブルを未然に防ぐためには、契約内容を明確にし、入居者とのコミュニケーションを大切にすることが重要です。さらに、信頼できる管理会社を選び、定期的に管理状況を確認することで、トラブルを最小限に抑えることができます。
確定申告が必要になる
家を貸して得た家賃収入は、不動産所得として所得税の課税対象となります。たとえ一時的に家を貸し出す場合でも、年間20万円以上の所得が発生した場合には、確定申告が必要です。確定申告では、固定資産税や都市計画税、管理会社への手数料、修繕費、管理費、減価償却費、損害保険料などの経費を計上できますが、これらの収支を整理し、正確な申告書を作成することが求められます。
特に、賃貸用住宅に関する特例や住宅ローン控除などの適用に関しては、細心の注意が必要です。納税額の計算、申告書の作成、税務署への提出といった手続きには多くの時間と労力がかかります。
確定申告を自力で行うことも可能ですが、複雑な手続きに不安がある場合は、税理士などの専門家に依頼することが一般的です。ただし、専門家に依頼する場合は、その費用が新たな経費となる点に注意が必要です。
個人で家を貸す流れ
不動産を賃貸に出す際には、いくつかの手順を踏んで進めることが重要です。以下に、その主な流れを解説します。
不動産会社(管理会社)に賃料査定の依頼をする
まず最初に行うべきは、物件の賃料査定です。不動産会社に依頼し、実際に家の内部や外部の状態を確認してもらい、いくらで貸し出せるかを見積もってもらいます。この査定は、家賃収入の見込みを立てるために非常に重要なステップです。
管理会社に業務を委託する場合は、査定依頼の段階で信頼できる会社を選ぶことが成功の鍵となります。選定の際には、以下のポイントをしっかりと確認することが大切です。
・管理手数料の比較
一般的には家賃収入の3〜5%程度が相場とされていますが、内容に応じて異なることもあります。手数料が相場から大きく外れていないか、またサービス内容がそれに見合っているかを確認しましょう。
・業務範囲の確認
建物の維持管理、入居者対応、原状回復工事、契約手続き、入居者募集など、幅広い業務をカバーしているかを確認します。業務範囲が広いほど、オーナーの負担が減ります。
管理会社を選定する際には、ウェブサイトでの情報収集や、直接店舗を訪れての相談が有効です。
不動産会社(管理会社)と媒介契約を結ぶ
賃料査定が終わり、管理会社を選定したら、次に行うのは媒介契約の締結です。媒介契約は、不動産会社が物件の貸し出し業務を代行する際に結ぶ契約です。管理会社は、賃貸借契約の締結や更新手続き、空室時の入居者募集など、重要な役割を担います。
管理会社を選ぶ際のポイントは、その会社が賃貸住宅管理業に登録されているかどうかも確認することです。管理戸数が200戸以上の会社は、賃貸住宅管理業の登録が義務付けられており、賃貸不動産経営管理士などの資格を持つ業務管理者が在籍している必要があります。こうした登録をしている会社であれば、一定の信頼性があるといえます。
物件の管理方法・条件を決めて募集活動を行う
次に、物件の管理方法や賃貸条件を決めます。これには、物件の立地条件、近隣の賃貸相場、物件の状況など、さまざまな要素を考慮する必要があります。以下の項目を検討しましょう。
・家賃設定
物件の立地や間取り、築年数、設備状況などを考慮し、適切な家賃を設定します。近隣の類似物件の相場を参考にしながら、需要と供給のバランスを見極めましょう。
・敷金・礼金・更新料
地域ごとの慣習に従い、敷金や礼金、更新料を決定します。これらの条件は、入居者にとって大きな負担となるため、慎重に設定しましょう。
・契約期間
普通借家契約か定期借家契約を選択します。借主のニーズや収入の安定性を考慮して、適切な契約期間を設定します。
・ペットの可否
ペットの飼育を許可するかどうかを決めます。ペット可の物件は入居者が見つかりやすい反面、物件の損傷リスクが高まることもあります。
・設備の解約・新設
エアコンやインターネット回線など、設備の有無を検討し、必要に応じて新設や解約を行います。設備が充実していると、入居者の満足度が向上します。
・原状回復の条件
入居者が退去する際の原状回復の範囲を設定します。どの程度の修繕を求めるかを明確にしておくことで、トラブルを防ぐことができます。
これらの条件が決まったら、次は入居者募集を行います。インターネット広告、SNS、不動産仲介業者、チラシなど、さまざまな媒体を利用して、広範囲に募集をかけましょう。物件の魅力を効果的に伝えることで、より多くの入居希望者を引きつけることができます。
入居者審査を行う
自宅を貸し出す際、入居者を慎重に選ぶことは賃貸経営の成功において非常に重要です。適切な入居者を選ばなければ、後々トラブルが発生する可能性が高くなります。入居審査は、そのリスクを最小限に抑えるための重要なプロセスです。
入居者トラブルにはさまざまな種類があります。例えば、家賃の滞納や支払い遅延、物件の設備を損壊させる行為、近隣住民とのトラブル、部屋を著しく汚す「汚部屋」化などが代表的なものです。また、ペット禁止や禁煙などの規則を無視する行為や、深夜の騒音、最悪の場合、夜逃げや自殺による事故物件化など、深刻な問題に発展することもあります。
これらのトラブルを未然に防ぐためには、信頼できる管理会社に入居審査を徹底して行ってもらうことが不可欠です。入居者選びでは、単に収入や職業といった定量的な側面だけでなく、受け答えや態度などの定性的な面も重要視されます。管理会社が「人を見る目」を持ち、適切な判断を下せるかが、トラブルを防ぐ鍵となります。
具体的には、管理会社が行う入居審査では、以下のような項目が確認されます。
・家賃支払い能力
入居希望者の年収や収入状況を確認し、家賃を滞りなく支払えるかどうかを判断します。安定した収入があるかどうかが、最も基本的な確認事項です。
・同居人数
同居予定者の人数を確認し、部屋の収容能力に見合った人数かどうかを確認します。過密な状態での入居はトラブルの原因になりやすいため、重要なポイントです。
・反社会的勢力との関係
入居希望者が反社会的勢力に関与していないかどうかを確認します。これは、法的リスクを回避するためにも欠かせない項目です。
・現在の住居状況と引越し理由
現在の住居状況や、なぜ引越しを希望しているのかを確認します。引越し理由が合理的かどうかは、信頼性の指標となります。
・ペット飼育の有無
ペットを飼っているかどうか、またその種類や数も確認します。ペットの有無によって物件の損傷リスクが変わります。
・入居者の年齢層
入居者の年齢層も確認し、物件の他の入居者との相性を考慮します。年齢層のバランスが取れていると、物件全体の住みやすさが向上します。
・職業と勤務形態
入居者の職業や勤務形態を確認し、家賃支払いの安定性を判断します。正社員や公務員など、安定した職業に就いているかどうかがポイントです。
審査の方針はオーナーによって異なりますが、トラブルを防ぐためには、条件重視か人物重視かを明確にし、どの要素を優先するかを決めておくことが大切です。入居者選定においては、細心の注意を払い、将来的なリスクを見据えた慎重な判断が求められます。
賃貸借契約の締結
入居者が決定したら、賃貸借契約を正式に締結する手続きを進めます。このステップでは、契約内容の確認から必要書類の署名・捺印、引越し日程の調整まで、多くの重要な作業が含まれています。一つひとつの手続きを確実に行い、後々のトラブルを未然に防ぐことが大切です。
・契約内容の確認
まずは、事前に合意した家賃、敷金、契約期間、規約、ペットの飼育可否など、契約条件を再確認します。この段階で、オーナーと入居者双方に認識のズレがないかを確かめることが重要です。契約条件に齟齬があると、後に大きな問題に発展する可能性があるため、細部までしっかりと確認を行います。
・重要事項説明
次に、契約時には管理規約や修繕費の分担などの重要事項を文書および口頭で説明します。この説明は、入居者が物件の使用に関するルールや責任を理解するために欠かせません。特に修繕費の負担や管理規約の詳細については、トラブルを未然に防ぐためにも、丁寧な説明が求められます。入居者が理解し、納得した上で契約に進むことが、良好な関係を築くための第一歩となります。
・署名捺印
賃貸借契約書、申込書、重要事項説明書、車庫証明書など、必要な全ての書類に対して署名・捺印を行います。これらの書類は、契約内容を法的に証明する重要な文書であるため、誤りや記入漏れがないように注意しながら進めます。
・賃料・敷金の収受
契約締結後、賃料の前払い分と敷金を入居者から受け取ります。支払いは現金または振込で行われますが、期日や金額をしっかりと確認し、記録に残しておくことが重要です。特に、振込での支払いの場合、入金確認が遅れることもあるため、銀行口座を定期的にチェックしましょう。
・鍵の受け渡し
入居日に、建物の鍵を正式に入居者に渡します。この時、鍵の本数やセキュリティカードなどの付属品が全て揃っているかを確認し、受け渡しの証拠としてサインをもらっておくと安心です。鍵の受け渡しは、実質的に入居が開始される瞬間でもあるため、慎重に行う必要があります。
・引越し日程調整
引越し予定日の確認と調整も重要なステップです。入居者がスムーズに引越しを行えるよう、引越し業者との時間調整をサポートすることも考慮しましょう。オーナーが立ち会いを希望する場合は、その日程も事前にすり合わせておくと、より安心です。
このように、賃貸借契約の締結には、契約内容の確認から書類手続き、金銭の受け渡し、そして引越し日程の調整まで、多くの重要な作業が含まれています。一つひとつの手続きを丁寧に行うことで、将来的なトラブルを防ぎ、スムーズな賃貸経営を実現することができます。
個人で家を貸す時にかかる費用
家を賃貸に出す際には、さまざまな費用が発生します。これらの費用を事前に把握しておくことで、賃貸経営をスムーズに進めることができます。以下に、家を貸す際に必要となる主な費用について詳しく解説します。
クリーニング・修繕費用
入居者が退去した後、次の入居者を迎えるためには、物件のクリーニングや修繕が必要になることが一般的です。クリーニング費用には、室内全体の清掃やカーペットの張り替え、壁紙の補修、窓やドアのメンテナンスなどが含まれます。これにより、物件を新しい入居者にとって快適な状態に保つことができます。
特に、物件が長年使用されている場合、経年劣化による設備の修繕や交換が必要になることがあります。例えば、古くなった給排水設備の更新、屋根や外壁の補修、さらにはキッチンやバスルームのリフォームなどが挙げられます。これらの大規模な修繕は、物件の価値を維持し、入居者を惹きつけるために欠かせません。
修繕費用は、物件の状態や修繕の範囲によって大きく異なるため、事前に見積もりを取っておくことが重要です。これにより、予算を適切に計画し、突発的な出費を避けることができます。また、入居者が物件を使用する中で発生した損傷については、契約時に受け取った敷金を修繕費用に充てることができます。しかし、敷金だけでは賄いきれない修繕が必要となる場合もあります。そのため、経年劣化や予期せぬトラブルに備えて、予算に余裕を持たせておくことが推奨されます。
さらに、物件の維持管理を定期的に行うことで、大規模な修繕の必要性を減らすことが可能です。例えば、小さな損傷を早期に修理することで、大きな修繕を回避できる場合もあります。これにより、修繕費用を抑え、物件の価値を長期間維持することができます。
最後に、修繕費用を適切に管理するためには、信頼できる業者との関係を築いておくことが重要です。修繕の品質とコストをバランスよく管理することで、長期的に安定した賃貸経営を実現することができます。
管理会社への管理委託費・仲介手数料
賃貸物件の管理を専門の管理会社に委託する場合、管理委託費が発生します。管理委託費は、一般的に家賃収入の3~5%程度が相場とされており、物件の規模や提供されるサービス内容に応じて異なります。この費用には、建物の維持管理、入居者対応、賃貸借契約の更新手続き、さらには緊急時の対応などが含まれます。管理会社が適切にこれらの業務を行うことで、オーナーは賃貸経営の手間を大幅に軽減できます。
また、入居者を募集する際には、不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。仲介手数料は、通常、賃料の1か月分が目安ですが、法律上、貸主と借主から受け取る手数料の合計が賃料の1か月分を超えないことが原則です。これは、不動産業者がどちらからも手数料を受け取る際に適用されるルールです。
これらの費用を正確に把握し、収支計画に反映させることが賃貸経営の成功には不可欠です。特に管理委託費や仲介手数料は、物件の運営コストに直接影響を与えるため、事前に見積もりを取って計画的に管理することが重要です。
各種税金
家を貸すことで得られる収入に対しては、さまざまな税金がかかります。ここでは、賃貸経営において考慮すべき主な税金について説明します。
固定資産税
固定資産税は、土地や建物に対して毎年課される税金です。所有している不動産の評価額に基づいて計算され、市区町村から課税されます。この税金は、物件の維持費として必ず発生するものであり、賃貸経営の際には収支に含めておく必要があります。固定資産税の額は、土地や建物の評価額によって異なりますが、一般的に毎年4月ごろに課税通知が送付されます。
都市計画税
都市計画税は、都市計画区域内にある土地や建物に対して課される税金です。この税金は、都市計画事業の費用や土地区画整理事業などに充てられます。都市計画税の税率は、固定資産税と同様に物件の評価額を基に計算されますが、市区町村によって税率が異なるため、所在地に応じた確認が必要です。特に都市部に物件を所有している場合、この税金が固定資産税と共に大きな負担となることがあります。
所得税
賃貸による収入は、所得税の課税対象となります。賃貸収入は「不動産所得」として申告する必要があり、家賃収入から経費を差し引いた額に対して所得税が課されます。経費には、固定資産税や都市計画税、管理費、修繕費、減価償却費などが含まれますが、正確な経費計算が求められます。所得税は累進課税方式であり、所得が高くなるほど税率は上がります。
住民税
住民税は、前年の所得に基づいて課される地方税で、都道府県民税と市町村民税の二つが合わさったものです。住民税には所得割と均等割の2つの部分があります。
・所得割
これは前年の所得に応じて課税される部分で、税率は通常10%程度です。所得割の税率は、所得に応じた累進課税ではなく、一律で設定されています。内訳としては、都道府県民税が約4%、市町村民税が約6%です。
・均等割
これは所得に関係なく一定額が課される部分です。標準的には、都道府県民税が1,500円、市町村民税が3,500円(合計5,000円)となっており、一部の自治体では異なる場合もあります。
住民税は、所得税と異なり、納税者の前年の所得に基づいて算出されるため、翌年に課税されます。たとえば、2023年の所得に対して2024年に住民税が課税される形です。
住民税の支払いは、通常、以下の方法で行われます。
・普通徴収
自営業者や不動産所得がある人などが対象で、6月、8月、10月、翌年1月の年4回に分けて支払います。
・特別徴収
給与所得者の場合、住民税は給与から天引きされ、企業が納税します。
不動産所得がある場合、その所得に応じた住民税が課税されます。賃貸経営を行う際には、毎月の家賃収入から計画的に納税資金を準備しておくことが重要です。特に普通徴収の場合、支払い時期に一度に多額の支払いが必要になるため、前もって資金を確保しておく必要があります。
個人で家を貸す際の注意点
自宅を賃貸に出す際には、いくつかの重要な注意点を押さえておくことが必要です。以下にそのポイントを解説します。
ローンの借り換えが必要か銀行に確認しておく
もし住宅ローンを返済中のマンションを賃貸に出す場合、まず銀行に相談することが不可欠です。一般的に、住宅ローンは居住用の住宅を購入するための資金として貸し出されており、その契約には「マイホームとして使用する」という条件が含まれています。そのため、ローン返済中にその物件を収益物件として貸し出すことは契約違反になる可能性があります。
ただし、転勤などで一時的に自宅を空ける必要がある場合、銀行が特別に許可を出すことがあります。このように、一時的に家を貸し出すことを「リロケーション」と呼びます。リロケーションを検討している場合は、事前に銀行に状況を説明し、許可を得た上で進めることが大切です。銀行によっては、ローンの条件を変更する必要があるかもしれません。適切な手続きを踏まずに物件を貸し出すと、契約違反としてペナルティが課されることがありますので、注意が必要です。
貸す前の原状を記録しておく
自宅を賃貸に出す際、物件の貸し出し前にその状態(原状)を詳細に記録しておくことは、トラブルを防ぐために重要です。これは特に、物件が古く、既に経年劣化や損傷が見られる場合において、非常に重要となります。
原状回復とは、賃借人が故意や過失、あるいは通常の使用範囲を超える損耗や毀損を与えた部分について、元の状態に戻すことを指します。具体的には、借主が意図的に壊したり、重大な過失によって損傷させた箇所については、借主の費用負担で修復する責任があります。しかし、貸し出し前からすでに損傷していた部分については、借主に修復を求めることはできません。
そのため、物件の貸し出し前には、室内の状態を詳細に記録しておくことが重要です。具体的には、写真や動画を撮影し、床、壁、天井、設備などの状態を明確に残しておくと良いでしょう。この記録は、将来的に退去時の原状回復の際に、どちらの責任で損傷が発生したのかを明確にするための証拠となります。
また、これらの記録は、借主と共有しておくとさらに効果的です。貸し出し前に物件の状態を確認し、双方が同意した状態で賃貸契約を進めることで、退去時のトラブルを大幅に減らすことができます。
さらに、物件の経年劣化や通常の使用による損耗、たとえば日焼けによる床の色あせや画鋲の跡などについては、借主に原状回復の責任を負わせることはできません。これらは、貸主側が負担すべき範囲に含まれるため、過剰な原状回復の要求は避けるべきです。原状回復の基本的な知識を持ち、適切な対応を行うことで、借主との信頼関係を保ち、円滑な賃貸経営を進めることが可能になります。
貸す期間が決まっていたら必ず定期借家契約にする
賃貸借契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。この2つの契約には、それぞれ異なる特徴とメリットがあり、物件を貸し出す目的や期間に応じて適切な契約形態を選ぶことが重要です。
普通借家契約は、契約期間が終了しても借主が希望すれば契約を更新できる契約です。この契約形態では、借主の権利が借地借家法によって強く保護されています。たとえば、契約期間が満了した際に、借主が更新を希望した場合、貸主がこれを拒否するためには、正当な理由(正当事由)を提示しなければなりません。さらに、正当事由がある場合でも、借主に立ち退き料を支払う必要が生じることがあります。立ち退き料は、借主の移転費用や新たな住居の確保にかかる費用を補うためのものです。
一方、定期借家契約は、契約期間が満了すると自動的に契約が終了する契約です。この契約形態では、契約更新という概念が存在せず、貸主は借主に対して契約終了を告知すれば、正当事由や立ち退き料を提示することなく、確実に物件を取り戻すことができます。そのため、貸主にとっては、計画的かつ柔軟な物件運用が可能となります。
賃料に関しては、一般的に普通借家契約の方が借主にとって有利な契約形態とされており、そのため普通借家契約の賃料は高めに設定される傾向があります。一方、定期借家契約は借主にとっての保護が少ないため、賃料はやや低めに設定されることが一般的です。市場でよく見かける「家賃相場」は、通常、普通借家契約を前提とした賃料であるため、定期借家契約の場合、賃料が相場よりも低くなる可能性があります。
転勤やリロケーションなどで一時的に自宅を貸し出し、その後確実に物件を取り戻したい場合には、定期借家契約を選ぶことが賢明です。
よくある質問
個人で賃貸経営を始める際によく寄せられる質問にお答えします。
Q1.個人で家を貸すために特別な資格は必要か?
個人で家を貸す際に、特別な資格が必要なのかと不安に思う方も多いのではないでしょうか?実際のところ、どうなのでしょうか?
A.資格は不要
個人で家を貸し出すために、特別な資格は必要ありません。家を所有している人であれば、賃貸物件として貸し出すことが可能です。ただし、賃貸経営を成功させるためには、物件管理や契約に関する基本的な知識を持っておくことが重要です。
特に、賃貸物件を複数所有したり、長期的に安定した賃貸経営を行うことを考えている場合、以下の資格を取得することで、賃貸経営に役立つ知識を身につけることができます。
宅地建物取引士
この資格は、不動産取引に関する専門的な知識を持つことを証明するもので、不動産業界では非常に重要視されています。宅地建物取引士の資格を取得することで、賃貸借契約の締結や重要事項説明の際に必要な法律や規則を深く理解し、トラブルを未然に防ぐことができます。
賃貸不動産経営管理士
この資格は、賃貸物件の管理運営に関する知識を有することを示します。賃貸不動産経営管理士は、物件管理の実務に携わる人々にとって非常に有用で、入居者とのトラブル対応や修繕管理、空室対策など、賃貸経営のあらゆる側面で役立つ知識を提供します。
これらの資格は、必須ではありませんが、取得することで、賃貸経営におけるリスクを減らし、より効率的かつ効果的に物件を運用するためのスキルを身につけることができます。さらに、資格を持っていることで、入居者に対して信頼性を示すことができるため、入居者募集の際にもプラスとなる可能性があります。
特に、賃貸経営を初めて行う方にとっては、これらの資格を学習する過程で得られる知識やスキルは、賃貸経営を成功させるための強力な武器となるでしょう。ですので、余裕があれば、資格取得を検討することをお勧めします。
Q2.管理会社に依頼せず親戚や知り合いなどに貸しても大丈夫か?
親戚や知り合いが家を借りたいと言ってきた場合、信頼関係があるため、管理会社を通す必要性を感じないこともあるでしょう。また、管理会社を通したいと言うと、「信頼していないのか?」と相手に思われるのではないかと心配し、躊躇してしまうこともあるかもしれません。しかし、親戚や知り合いに家を貸すときに、管理会社に依頼しなくても大丈夫なのでしょうか?
大丈夫だけど注意点もあり
親戚や知り合い、友人に家を貸すことを考える方も多いでしょう。特に近しい関係であれば、信頼があるからこそ、契約を交わさずに貸し出すことを考えるかもしれません。管理会社を通さなくても大丈夫ですが、このような場合でも、管理会社を通し、正式に契約を交わすことをお勧めします。
知人や友人だからといって、口約束や簡単な取り決めだけで家を貸すと、後々のトラブルの原因になりかねません。たとえば、立ち退き時や原状回復の際に、双方の認識が食い違うことがよくあります。こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、管理会社と通じて賃貸借契約書を作成し、契約内容を明確にしておくことが必要です。
賃貸借契約書には、家賃や敷金、契約期間、退去時の条件などを詳しく記載します。これにより、両者が納得したうえで賃貸契約を結ぶことができ、後から「言った、言わない」の問題を防ぐことができます。特に、立ち退きの際の条件や、物件をどの状態で返却するかを明確にしておくことが重要です。
さらに、知り合いや親戚に一時的に家を貸し出す場合には、「一時使用賃貸借契約」の活用をおすすめします。この契約形態は、特定の期間だけ家を貸し出す場合に有効で、契約期間が終了すれば、確実に家を返してもらうことができます。
一般的な「普通借家契約」では、契約期間が満了しても、借主が契約の更新を希望すれば、貸主側はこれを拒否するのが難しく、正当な理由と立ち退き料が必要になります。そのため、貸し出した期間が終わった後でも、家を取り戻せないリスクが生じます。
一方、「一時使用賃貸借契約」を結んでおけば、たとえば転勤期間中だけ家を貸し出し、帰任後には確実に家を取り戻すことが可能です。この契約形態は、一時的な貸し出しに適しており、貸主が安心して物件を運用することができます。
総じて、どれほど親しい間柄であっても、管理会社を通じて正式な契約書を作成し、双方の権利と義務を明確にしておくことが、良好な関係を維持するためには不可欠です。契約書の作成を怠ると、後々のトラブルにつながる可能性が高くなるため、注意しましょう。