竣 工 2024年7月
最寄駅 椎名町駅徒歩4分
総戸数 159戸
住 所 東京都豊島区目白5-19-10
概 要 地上19階 RC造
■物件名フリガナ
ザ・パークハビオメジロタワー
■近隣周辺施設情報
まいばすけっと下落合4丁目店まで約280m
マルマンストア椎名町店まで約390m
ローソン椎名町駅前店まで約360m
社会福祉法人聖母会聖母病院まで約390m
椎名町駅前交番まで約230m
驚安堂目白店まで約280m
どらっぐぱぱす目白店まで約330m
目白の森まで約290m
新宿下落合四郵便局まで約350m
物件名 | ザ・パークハビオ目白タワー | ||
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所在地 | 東京都豊島区目白5-19-10 | ||
最寄駅 | 西武池袋線「椎名町駅」徒歩4分 東京メトロ副都心線「要町駅」徒歩14分 東京メトロ有楽町線「要町駅」徒歩14分 JR山手線「目白駅」徒歩17分 都営大江戸線「落合南長崎駅」徒歩18分 | ||
物件特徴 | REIT系ブランドマンション、デザイナーズ | ||
構造規模 | 地上19階 RC造 | ||
総戸数 | 159戸 | 築年月 | 2024年7月 |
賃料 | – | 管理費 | – |
間取り | – | 専有面積 | – |
問合番号 | 6131 |
■駐車場 21台(平置式)
■バイク置場 9台
■駐輪場 110台
―――――――
■設 計 川口土木建築工業株式会社 一級建築士事務所
■施 工 川口土木建築工業株式会社
■管理形式 巡回管理
―――――――
■保 険 借家人賠償付き火災保険要加入
■ペット 不可
■楽 器 不可
■鍵交換代 新築の為不要
■保証会社 利用必須(※大手法人契約の場合、例外あり)
初回保証委託料/月額賃料等の30%~50%
年間継続料/0.8万円~1.0万円
―――――――
■間取り
□1K~3LDK(25.82㎡~62.70㎡)
※仲介手数料・敷金・礼金・各種キャンペーンについてはお部屋ごとに異なる場合があります。
※キャンペーン情報は予告なく変更・終了する場合がありますので、ご了承ください。
※分譲マンションの場合、お部屋によってペット飼育・楽器の利用・事務所使用など異なる場合がありますので、ご注意ください。
※シリンダー錠交換費用・保証システム加入費、24時間サポート加入費など別途費用が掛かることが御座います。
※掲載されている部屋情報以外にも空き部屋・空き予定の部屋もありますのでお問い合わせください。
確定申告では、不動産投資・家を貸すことで得られる収益を事業所得ではなく不動産所得として扱います。確定申告をするにあたっては、家賃収入と不動産所得が全く同じというわけではない点をしっかり理解しておかなければなりません。まずは、混同されることも多い家賃収入と不動産所得の違いについてご説明しましょう。
家賃収入
家賃収入とは、賃貸経営・マンションを賃貸に出すことで得られる売上のことを指します。不動産投資では、月々の家賃だけでなく、入居者から支払われる他の収益も含まれます。具体的には以下のようなものが家賃収入に該当します。
・礼金:新たな契約時に入居者から受け取る一時金。
・敷金・保証金:退去時に返還されない部分。
・管理費・共益費:共用部分の維持管理のために入居者から徴収する費用。
・駐車場代:物件に付随する駐車スペースの使用料。
・更新料:契約更新時に受け取る費用。
不動産所得
不動産所得は、家賃収入の合計から必要な経費を差し引いた後の利益を指します。具体的には以下の式で算出されます。
不動産所得=家賃収入-必要経費
賃貸経営には様々な経費がかかります。確定申告の際には、家賃収入から必要経費を差し引いた所得額を算出し、納税額を計算します。必要経費として計上できるものには以下のようなものがあります。
・固定資産税、都市計画税
・不動産取得税、登録免許税
・管理委託手数料
・修繕費
・不動産投資ローンの金利部分
・減価償却費
・広告費
・火災保険料、地震保険料
なお、不動産所得の取り扱いは、不動産の貸付が事業として行われているかどうかによって異なる場合があります。不動産貸付が事業に当たるかどうかは、社会通念上の事業規模で判断されますが、実務上は以下の基準で形式的に判断されることもあります。
・アパート:部屋数が10室以上
・戸建て:物件数が概ね5棟以上(戸建て1棟はアパート2室分と同等)
・駐車場:50台以上(5台分はアパート1室分と同等)
事業規模とみなされる場合の例を挙げると、アパート5室、戸建て2棟、駐車場10台の場合、アパート11室分に換算され、事業的規模と判断されます。
家賃収入にはどんな税金がかかる?
税金は家賃収入全体に税金がかかるわけではなく、家賃収入から経費を差し引いた「不動産所得」に対して課税されます。敷金や保証金は預かり金として扱われるため、返還する限り不動産所得には含まれません。不動産投資で家賃収入を得た場合に納税義務が生じる税金には以下のようなものがあります。
・所得税
・住民税
・固定資産税
・消費税
次に詳しく説明していきます。
①所得税
所得税は、1年間の個人所得に対して課せられる税金です。不動産投資をしている個人事業主の場合、不動産所得の額に応じて所得税が課税されます。また、平成25年から令和19年までの期間は、所得税とともに復興特別所得税の納付も必要です。
所得税は、不動産所得に限らず、給与所得や他の所得も含めた総所得に基づいて計算されます。所得税の税率は累進課税方式で、所得が多いほど高い税率が適用されます。従って、不動産投資の収益が増えると、その分だけ所得税の負担も増加することになります。
②住民税
住民税は、地方税の一つで、所得に応じて課税される税金です。住民税は、毎年1月1日時点で住民票がある地域に納付する義務があります。都道府県が課税する道府県民税・都民税と、市区町村が課税する市区町村民税に分かれています。
住民税は、地域の行政サービスを賄うための重要な財源となります。具体的には、教育、福祉、消防、救急、ゴミ処理などの公共サービスを提供するための資金として活用されます。
住民税は、「所得割」と「均等割」の2つで構成されます。「所得割」は、所得に応じて税率が変わり、所得が多いほど税額が高くなります。一方、「均等割」は、所得に関わらず一律の税額が課せられる部分で、低額の負担を求められます。
住民税の計算方法や税率は自治体によって異なるため、自分が住んでいる地域の税率を確認することが重要です。
③固定資産税
固定資産税は、家賃収入の有無に関わらず、毎年1月1日時点で不動産を所有している人に課せられる税金です。固定資産税は、不動産の評価額に基づいて計算され、市町村によって課税されます。不動産の評価額は、土地や建物の種類、場所、用途などによって異なります。
固定資産税は、不動産を所有する限り毎年支払う義務があります。具体的には、住宅やアパート、駐車場などの不動産が対象となります。これに加えて、都市計画法が指定する市街化区域内に不動産を所有している場合は、都市計画税も課せられます。
都市計画税は、都市の計画的な発展やインフラ整備のために使用される税金です。
④消費税
テナント用の物件を所有し、居住用マンション以外から家賃収入がある場合、課税売上が1,000万円を超えると、その年の2年後から消費税の納税義務が生じます。ただし、居住用物件からの家賃収入については、売上が1,000万円を超えても消費税の課税対象にはなりません。
混在した物件で不動産所得を得た場合、居住用と事業用の面積比で所得を分割して課税額を計算します。具体的には、事業用の部分の不動産所得が1,000万円を超えた場合に、消費税が課されます。このような場合、適切な面積比での計算が求められます。
例えば、物件の50%が居住用、50%が事業用であり、全体の不動産所得が2,000万円の場合、事業用部分の所得は1,000万円となり、この場合消費税の課税対象となります。
家賃収入にかかる税金の計算方法は?
家賃収入を得た場合に支払う必要がある税金について、これまでご説明してきました。実際にどのくらいの税負担が必要になるのか、気になる方も多いでしょう。ここでは、所得税と住民税の算出方法について詳しくご説明します。
不動産所得税の計算
所得税と住民税は不動産所得に応じて課税されるため、まずは不動産所得を計算することが重要です。不動産所得は、家賃収入から必要経費を差し引いて算出します。
不動産所得 = 家賃収入 – 必要経費
家賃収入には、家賃のほか、礼金、更新料、管理費・共益費、駐車場代などが含まれます。これら全ての収入を合計し、そこから差し引ける経費を次の通りです。
家賃収入に含まれる具体的な項目は以下の通りです。
・家賃:毎月入居者から受け取る賃料
・礼金:契約時に入居者から受け取る一時金
・更新料:契約更新時に受け取る費用
・管理費、共益費:共用部分の維持管理のために受け取る費用
・駐車場代:駐車場の使用料
必要経費として計上できるもの
必要経費として認められるものは、不動産所得を得るために発生した支出です。以下に代表的な経費を挙げ、それぞれについて解説します。
・修繕費
・管理組合への管理費
・不動産会社への管理手数料
・借入金の金利
・減価償却費
・広告宣伝費
・交際費、交通費、通信費
・不動産取得税
・固定資産税
修繕費
修繕費には、建物の外装や内装の修繕にかかった費用のほか、設備の交換のための費用も含まれます。
管理組合への管理費
マンションの管理組合が共用部分を管理するために支払う費用です。
不動産会社への管理手数料
不動産管理会社に管理を委託した際にかかる手数料です。
借入金の金利
不動産購入時に借り入れたローンの利息部分は、必要経費として計上されます。
減価償却費
マンションの購入費用を耐用年数にわたって経費に算入する方法です。建物の耐用年数は、木造や鉄筋コンクリートなど建物の構造によって異なります。ただし、土地は経年劣化しないため、減価償却費の対象にはなりません。
広告宣伝費
入居者募集のために行う広告や宣伝の費用です。
交際費、交通費、通信費
交際費は不動産会社や税理士との打ち合わせの飲食代など、交通費は物件の見学や調査にかかる費用、通信費はインターネット使用料や電話料金などが該当します。これらを必要経費に加算するには、領収書の保管が必要です。
不動産取得税
不動産購入時に支払う税金です。不動産取得税は、以下の計算式で算出されます。
不動産取得税 = 課税標準額 × 4%(標準税率)
課税標準額は市町村の役場にある固定資産課税台帳で確認できます。なお、土地と居住用建物の取得については2027年3月31日まで税率が3%に軽減されます。
固定資産税
固定資産税は、不動産を所有している場合に毎年支払う税金です。以下の計算式で算出されます。
固定資産税 = 固定資産税課税標準額 × 1.4%(標準税率)
固定資産税課税標準額は、市町村の役場や固定資産課税台帳で確認できます。
その他にも、事業税や消費税、損害保険料、立ち退き料なども必要経費に含まれます。
不動産所得額を算出する際には、「不動産収入を得るために支払った費用」のみが必要経費となります。
100%不動産収入を得るために支払ったとはいえないものについては、家事按分が必要になります。
家事按分が必要なケースをいくつか紹介します。
兼業の場合
例えば、八百屋を営みながら物件を貸し出している場合、事業用車のガソリン代を本業と不動産業で按分し、不動産業分だけを経費に算入します。
賃貸物件の一部が大家居住区の場合
例えば、5階建てのビルの最上階が大家の居住区で、1~4階が賃貸の場合、修繕費などは按分して賃貸部分だけを経費として計上します。
合理的な基準(床面積や走行距離など)で按分することが求められます。
必要経費として計上できないもの
必要経費に加算できないものは、不動産所得を得るための直接的な支出ではない費用です。具体的には、以下の支出が挙げられます。
・借入金の元本返済分
・事業に関連しない支出
・所得税や住民税
借入金の元本返済分
借入金の元本返済分は、資金の返済であり、事業の根本を支えるための費用と見なされます。そのため、必要経費として計上することはできません。元本返済は資産の減少を意味し、利益を生み出すための直接的な費用ではないためです。
事業に関連しない支出
事業に関連しない個人的な支出は、必要経費として認められません。例えば、個人の生活費や私的な出費は、不動産所得を得るための経費には該当しません。
所得税や住民税
所得税や住民税は、個人や事業主にかかる税金であり、事業運営のための費用ではありません。これらの税金は、不動産所得から計算されるものであり、必要経費として計上することはできません。
以上のように、不動産所得を得るための直接的な費用ではない支出は、必要経費として認められないため、経費として計上する際には注意が必要です。不動産投資を行う際には、適切な経費を計上し、正確な確定申告を行うことが重要です。
所得税を計算
所得税には累進課税制度が採用されており、所得が多いほど適用される税率が高くなります。そのため、不動産所得が多い人ほど税負担が増えます。家賃収入以外にも給与所得がある場合には、不動産所得と給与所得を合算し、各種の所得控除を差し引いた金額が課税対象額となります。
所得税額 = 課税される所得金額 × 税率 - 控除額
例えば、不動産所得が500万円の場合、税率は20%、控除額は427,500円です。この場合の所得税額は以下のようになります。
所得税額 = 500万円 × 0.2 - 427,500円 = 572,500円
したがって、500万円の不動産所得に対しては572,500円の所得税が課せられます。
正確な所得税額を計算するためには、適用される税率と控除額を把握することが重要です。国税庁の速算表を参考にして、正しい税額を算出しましょう。
参照:国税庁「所得税の速算表」
住民税の計算
住民税は、所得割と均等割の2つの区分を合算した金額を納税します。
所得割: 前年の所得金額に応じて課せられる税額
均等割: 所得金額に関わらず必ず課せられる税額
所得割の税率
所得割の税率は一律10%で、このうち6%は市町村民税、4%は道府県民税として納めます。政令指定都市の場合は、市町村民税が8%、道府県民税が2%となります。
均等割の税額
均等割の税額は自治体によって異なりますが、一般的に都民税や市区町村民税として課せられます。具体的な税額は各自治体で確認することが重要です。
東京都の場合、住民税は以下の式で計算できます。
住民税額 = 所得割額(所得金額 - 所得控除 × 10% - 税額控除)+ 均等割額(都民税額1,500円 + 市区市町村民税額3,500円)
住民税の所得控除には、以下の種類があります。
・雑損控除
・医療費控除
・社会保険料控除
・小規模企業共済等掛金控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・障害者控除
・寡婦控除
・ひとり親控除
・勤労学生控除
・配偶者控除
・配偶者特別控除
・扶養控除
・基礎控除
住民税の計算方法を理解し、適切な所得控除を適用することで、納税額を正確に算出することが可能です。不動産所得がある場合には、これらの控除を活用し、正確な申告を行いましょう。
東京都主税局など各自治体の情報を参考にし、自分の居住地に応じた正確な住民税額を確認することが重要です。
不動産所得は確定申告が必要
不動産所得がある場合、確定申告を行うことで税金を適切に納めることが求められます。不動産所得とは、賃貸物件から得られる家賃収入や礼金、共益費、駐車場代などの収入から、管理費、修繕費、固定資産税、減価償却費などの必要経費を差し引いた金額のことです。
確定申告が必要な人
1.副業で雑所得を得ている場合や、雑所得と不動産所得の合計が20万円を超える場合
会社で年末調整を受けており、会社からの給与(給与所得)と不動産所得以外の所得がない場合、不動産所得が20万円以下であれば申告は不要です。
2.給与収入が2,000万円を超える会社員の場合
給与収入が2,000万円を超える場合、年末調整を受けていない場合、副業でアルバイトをしておりそのアルバイト先で年末調整を受けていない場合などは、不動産所得の金額にかかわらず確定申告が必要です。
3.本業が個人事業主の場合
本業が個人事業主であり、事業所得の確定申告が必要な場合、不動産所得の額に関係なく確定申告が必要です。
4.特定の事情がある場合
その他にも、住宅ローン控除を受ける場合や、医療費控除、寄附金控除などの控除を受けるためには確定申告が必要です。また、配当所得や一時所得がある場合も確定申告が必要です。
不動産所得の確定申告が必要かどうかは、所得の金額だけでなく、申告者の働き方や他の所得の有無によって異なります。不動産所得が20万円以下であっても、他に申告が必要な所得がある場合や、特定の控除を受ける場合には、確定申告が必要になります。
確定申告がおすすめの理由
不動産所得が20万円以上ある人は、確定申告をする義務があります。そのため、20万円以上の不動産所得を得ている人は、必ず確定申告をしなければなりません。一方で、不動産所得が20万円以下の人には確定申告の義務はありませんが、それでも確定申告を行うことをおすすめします。
不動産所得が20万円以下の人でも確定申告を行う最大の理由は、「損益通算」ができるからです。損益通算とは、必要以上に支払ってしまった税金を取り戻す手法です。具体的には、不動産所得が赤字の場合、他の所得(例えば給与所得)と合算して課税所得を減少させることができます。これにより、納める税金が少なくなり、節税効果が期待できます。
建物は時間の経過とともに経年劣化し、その価値は低下します。減価償却とは、この価値の低下を耐用年数に合わせて消化していくことを言います。確定申告時には、建物の減価償却費を必要経費として計上できます。これにより、実際のキャッシュフローは黒字でも、帳簿上は赤字になる場合があります。
不動産所得が赤字になると、その赤字を本業の給与所得と合算することで、課税所得が減少し、所得税の納税額の圧縮が期待できます。特に会社経営者や役員が節税目的でタワーマンションを購入するケースが多いのは、この理由によるものです。
これらの理由から、不動産所得が20万円以下であっても、確定申告を行うことでさまざまなメリットが得られる可能性があります。損益通算や減価償却を活用し、正確な申告を行うことで、税負担を軽減し、効率的な資産運用を実現しましょう。
確定申告のやり方
確定申告に必要な書類は以下の通りです。
・確定申告書B
・所得税青色申告決算書(不動産所得用・青色申告の場合のみ)
・不動産収支内訳書
・控除関係の書類
・源泉徴収票(給与所得がある場合)
・確定申告書・決算書の作成
確定申告書Bと所得税青色申告決算書は、国税庁のホームページからダウンロードするか、最寄りの税務署で入手できます。また、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」では、画面の案内に従って入力することで、確定申告書や青色申告決算書を作成できます。会計ソフトを利用して作成することも可能です。
完成した確定申告書は、以下のいずれかの方法で提出します。
1.e-Taxで提出
電子申告システムe-Taxを利用してインターネット経由で提出します。2020年分の確定申告から、e-Taxによる提出の場合、青色申告特別控除の最大控除額が65万円に引き上げられました。
2.印刷して郵送
作成した申告書を印刷し、管轄の税務署に郵送します。
3.税務署に持参
申告書を管轄の税務署に直接持参して提出します。この場合、青色申告特別控除の最大控除額は55万円です。
確定申告の際には、正確な書類の準備と提出方法を選択することが重要です。適切な申告を行うことで、所得税や住民税の計算が正確に行われ、納税額の適正化が図れます。また、青色申告を行う場合には、電子申告を利用することで控除額のメリットを最大限に享受できることを覚えておきましょう。
よくある質問
家賃収入・不動産所得の税金や確定申告のよくある質問について紹介します。
青色申告と白色申告どちらがいいのか?
不動産所得を得た場合、確定申告を行って納税額を確定し、確定した税額を納付する必要があります。確定申告には大きく分けて、白色申告と青色申告の2つがあります。白色申告と青色申告どちらがいいのでしょうか。次に詳しく解説します。
青色申告をした方がいい
結論から言うと、青色申告を選ぶのが良いです。青色申告には、白色申告にはないさまざまなメリットがあります。その中でも特に大きいのが「青色申告特別控除」です。この控除は、所得税を計算する際に通常10万円の控除が受けられますが、以下の条件をすべて満たす場合は最大65万円または55万円が控除されます。
青色申告で最大65万円または55万円の控除を受けるための条件について説明します。
1.不動産貸し付けが「事業的規模」であること
事業的規模かどうかは、社会通念上「事業」と言える規模かどうかで判断されます。建物の貸付けについては以下の基準で形式的に判断されることが多いです。
・アパート:部屋数が10室以上
・独立家屋:物件数がおおむね5棟以上
・駐車場:50台以上
所有する不動産で、アパート、戸建て、駐車場が混在している場合は、アパートの室数に換算して計算します。例えば、アパート5室、戸建て2棟、駐車場5台であれば、アパート10室分となり、形式基準としての事業的規模を満たします。
事業的規模である場合のメリットは次の通りです。
青色申告の事業専従者給与や白色申告の事業専従者控除が適用される
家族従業員に支払った給与を経費として計上できる「青色申告の事業専従者給与」や、所得から控除する「白色申告の事業専従者控除」が適用されます。
貸倒損失を経費として扱える
事業的規模であれば、未収家賃が回収不能となった場合、その分を必要経費として計上できます。
資産損失を無条件に経費算入できる
賃貸用のアパートの取壊しなどで資産損失が出た場合、事業的規模であればその全額を必要経費に算入できます。
2.複式簿記方式で記帳すること
売上や経費などを複式簿記方式で記帳します。複式簿記で記帳すると、取引の二重性が反映され、「売上が上がって預金が増えた」「経費を支払って現金が減った」といった二重の情報が記録されます。
3.損益計算書・貸借対照表を提出すること
帳簿に基づいて損益計算書と貸借対照表を作成し、確定申告書に添付して提出します。
4.期限内に申告すること
翌年の1月16日から3月15日(土日祝日の場合は翌平日)までの確定申告期間内に申告します。還付申告の場合も同様です。
一方、事業的規模でない場合の青色申告特別控除は10万円のみで、確定申告の際に貸借対照表の添付は必要なく、損益計算書の添付だけで済みます。
共同名義の場合に確定申告はどうすればいい?
複数の人が収益不動産を「共有」している場合、得られた家賃収入や経費の分配方法に悩むことがあるでしょう。不動産を賃貸すると「収益」を得られるだけでなく「経費」も発生します。共有者はこれらの経費の負担も分配する必要があります。また、不動産賃貸業で収入を得ると「不動産所得」が発生するため、「確定申告」も必要です。
ここでは、共有名義不動産からの家賃収入に関する確定申告について解説します。
持分の割合で按分してそれぞれ確定申告する必要がある
共有不動産から得られる不動産所得は、「不動産の共有持分割合」に応じて分配されます。共有持分割合とは、それぞれの共有者が不動産に対して持っている権利の割合を指します。通常、全ての共有持分権者の共有持分割合を合計すると「1」になるように設定されています。
例えば、兄弟2人で収益不動産を共有している場合、兄の共有持分割合が4分の3、弟の共有持分割合が4分の1といった具合です。
共有持分割合は不動産に対する権利の割合であるため、収益や経費もこの割合に従って分配されます。収益不動産を共有している場合、それぞれの共有持分権者の共有持分割合に従って不動産所得を計算し、確定申告を行います。
確定申告は各共有持分権者が個別に行わなければなりません。自分の共有持分から発生した不動産所得は自分の所得となるため、一人の共有持分権者がまとめて申告することはできません。
例えば、夫と妻が不動産を共有している場合でも、夫が単独で申告することはできません。面倒でも、必ず夫と妻がそれぞれ確定申告書を作成し、税務署に提出する必要があります。
青色申告特別控除を利用できると、最大65万円の控除を受けることができます。共有不動産の場合、この65万円の控除は一人分だけに適用されるのでしょうか?
実は、青色申告特別控除はそれぞれの共有持分権者に適用されます。例えば、夫婦2人で共有している場合、夫にも妻にもそれぞれ65万円の控除が認められ、合計で130万円の控除を受けることができます。この点で、不動産を共有していると単独所有よりも税務上有利になることがあります。
不動産を共有している場合、持分の割合に応じて収益と経費を按分し、それぞれが確定申告を行うことが重要です。正確な申告と控除の適用により、税務上のメリットを最大限に活用しましょう。
現実的に不動産投資で節税ができるの?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
実は、不動産投資を活用すれば、以下のような税金を節税することができるのです。
節税できる税金の種類
所得税
不動産投資によって発生した不動産所得には、所得税が課税されます。
しかし、不動産経営・マンションを貸すことに係る必要経費として、減価償却費や修繕費、借入金の支払利息などを損金算入(経費控除)することができるため、課税対象となる不動産所得を減らすことができます。
また、黒字の物件と赤字の物件がある場合は、黒字物件の利益から赤字物件の損失を差し引くことができます。
このように損益をまとめ、残った不動産所得に対してのみ所得税が課税されるため、節税効果が得られます。
さらに、不動産所得以外の給与所得や事業所得などの他の所得と不動産所得を通算することもできます。
例えば、不動産所得が赤字でもサラリーマンとして給与所得がある場合、不動産所得の赤字分を給与所得から控除でき、所得税の負担を軽減できます。
このように、不動産投資では必要経費の損金算入や、他の所得との損益通算を適切に行うことで、
課税対象となる所得金額を減らし、所得税の節税を図ることができるのです。
住民税
住民税は、住んでいる自治体(都道府県と市区町村)に納める税金です。
住民税の課税対象となる所得は、前年の課税所得を基に算出されます。
つまり、前述した不動産投資における所得税の節税対策を適切に講じることは、住民税の節税にも結びつきます。
住民税率は標準で10%前後ですが、一部の自治体では超進課税を行っていますので、節税効果はさらに大きくなる可能性があります。
住民税には均等割額(一定額)と所得割額(所得金額に応じた額)の2種類があり、均等割額部分は所得控除の影響を受けません。
そのため、所得金額が少ない人ほど均等割額の占める割合が大きくなり、所得控除の効果が薄れます。
高額所得者ほど住民税の節税効果が大きくなる傾向にあるのです。
贈与税
一般的に不動産は現金と比べて評価額が低く設定されます。
つまり、同じ金額でも不動産の方が現金よりも評価額が低くなります。
贈与税は評価額に対して課税されるため、評価額が低ければ支払う税額も低くなります。
例えば、1億円の現金を贈与すれば1億円がそのまま評価額となり、高額の贈与税がかかりますが、
1億円相当の不動産を贈与した場合、不動産の評価額は7000万円程度、またはそれ以下に抑えられる可能性があります。
その結果、贈与税の計算の基となる評価額が低くなり、現金に比べて納める贈与税額を大幅に節税できます。
つまり、現金よりも不動産で保有することで評価額が引き下げられ、結果的に払う贈与税額を抑えられるというメリットがあるのです。
富裕層の資産移転に不動産投資が有効活用されている理由がここにあります。
相続税
相続税は、被相続人(亡くなった人)の財産を相続人(子供など)が受け継ぐ際にかかる税金です。
不動産を相続した場合も、その評価額に応じて相続税がかかります。
不動産投資における相続税の節税対策としては、前述した贈与税と同様に評価額を下げることがポイントです。
不動産は現金に比べて課税評価額が低く設定されているため、現金ではなく不動産を保有し相続することで、相続税の計算基礎となる評価額を引き下げられます。
また、事前に非課税枠以内で生前贈与を計画的に行っておけば、さらに相続税を圧縮することができるでしょう。
このように、不動産の評価額が低く抑えられることと、生前からの計画的な贈与を組み合わせることで、相続発生時の相続税負担を大幅に軽減することが可能です。
法人税
不動産投資を個人事業ではなく法人で行う場合、法人税率の恩恵を受けられる可能性があり、法人税の節税メリットが得られます。
法人税は企業において最終利益に対して課税されるものですが、個人事業主の最高税率45%に対し、法人の税率は23.2%となっており、
個人の所得税よりも最高税率が低く設定されている点が大きな違いです。
所得税と同様に、必要経費を適切に計上することで利益を圧縮し、課税対象額を減らせば、支払う税額を抑えられます。
加えて、法人の方が個人よりも損益通算の範囲が広いため、他で損失があった場合でも、利益から相殺できる範囲が広がります。(厳密には法人には損益通算という概念はなく、不動産以外の全ての事業を含めたうえで、法人の損益として扱われる)
このように、不動産投資において法人化を活用することで、法人税率の恩恵と柔軟な損益通算ができるため、より大きな節税メリットが期待できるのです。
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不動産投資で節税できる仕組みとは?
では、不動産投資で節税ができる仕組みとは、具体的にどのようなものなのでしょうか。
減価償却費の活用
不動産投資・家を貸すことにおいては、建物は時間の経過とともに劣化し、価値が下がっていきます。
この価値の低下を減価と呼び、減価した金額を「減価償却費」として経費控除することができることが節税メリットとなります。
減価償却費は、建物の耐用年数に応じて定められた償却率を用いて定額法で計算され、取得価格×償却率で算出します。
償却率は木造の建物で0.046%、鉄骨鉄筋コンクリート造りで0.022などと決まっています。
例えば、取得価額1億円の木造アパートの場合、1億円×0.046=460万円が年間の減価償却費と算定されます。
この460万円が経費として控除可能になるため、課税対象となる不動産所得から460万円を差し引くことができ、大きな節税効果が期待できます。
減価償却費は不動産投資における重要な節税手段です。
建物の種類や取得時期に応じて適切に計算し、確実に経費へ算入することが肝心です。
損益通算ができる
不動産投資では、その損失金額を他の種類の所得から控除することができます。
これを「損益通算」と呼びます。
例えば、不動産事業において200万円の損失が発生した場合、この200万円の損失を給与所得や事業所得などの他の所得金額から控除できるため、
課税対象所得が減少し節税につながります。
損益通算の具体的な手順は以下の通りです。
不動産所得の金額を算出する(不動産収入から必要経費を差し引いた金額)
給与所得や事業所得など他の所得の金額を算出する
不動産所得と他の所得を合算する(不動産所得が赤字の場合、その赤字額を他の所得から控除する)
例えば、不動産所得の損失が200万円で給与所得が800万円だった場合、800万円から200万円を控除すると
課税対象所得は600万円となります。
なお、複数の不動産から生じた黒字と赤字を通算することも可能です。
例えば、不動産Aで利益100万円、不動産Bで損失200万円の場合、不動産所得は損失100万円となり、
100万円を他の所得から控除できます。
ただし、損益通算を受けるためには、必ず確定申告を行う必要がありますので、注意しましょう。
このように、損益通算は節税の重要な手段ですが、適切な計算と手続きが必要不可欠です。
所得の状況を正確に把握し、確定申告を怠らずに行うことが何より大切なのです。
不動産投資による節税がおすすめの人
ここから、不動産投資による節税がおすすめな人について確認していきましょう。
課税所得900万円以上(年収1200万円以上)の人
高所得者ほど所得税の最高税率が高くなるため、不動産投資による節税の効果が大きくなる傾向にあります。
具体的には課税所得金額が900万円を超えると、所得税率が33%に跳ね上がります。
課税所得900万円以上となる年収水準は概ね1200万円前後とされています。
給与所得者の場合、年収1200万円程度であれば、確定申告などの各種控除後に課税所得900万円を上回ると考えられます。
高所得者ほど節税金額が大きくなり、不動産投資へのインセンティブが強くなるのです。
加えて、高額納税者は節税に対するニーズも強いため、不動産投資による節税対策のメリットを積極的に活用する傾向にあります。
相続税対策が必要な人
相続対策が必要な人にとって、不動産投資は有効な節税手段となり得ます。
生前に不動産を子供などの相続人へ贈与する場合は贈与税、相続発生時には相続税の節税を図ることができるからです。
前述したように、相続税は被相続財産の評価額に対して課税されますが、不動産は現金よりも評価額が低く抑えられる傾向にあります。
これにより、相続税の計算基礎となる評価額を下げられ、結果として支払う相続税額を抑えることができます。
また、一度にまとめて贈与するのではなく、複数回に分けて行えば、それぞれの時点で一定額の基礎控除が受けられるため、節税効果が高まります。
適切な時期と金額を選んだ計画的な対策が有効です。
さらに、小規模宅地等の特例によって一定額を非課税とするなどの手段も検討できます。
生前からの贈与と組み合わせた対策によって、相続発生時の相続税負担をかなり軽減できる可能性があります。
このように、相続対策を考える際には不動産投資を主要な手段の一つとして位置付け、各段階で効果的な節税対策を講じることが求められるのです。
不動産投資で節税に向いている物件
では、不動産投資で節税に向いている物件とはどのような物件でしょうか。
木造の築古アパート
木造の築年数が経過したアパートは、不動産投資における節税対策に最適な物件と言えます。
理由は、短期間で大きな償却が期待できるからです。
一般的な木造アパートの耐用年数は22年とされています。
例えば、築古と呼ばれはじめる築30年の物件を取得した場合、下記の計算式に当てはめると、わずか4年で償却する計算となります。
【法定耐用年数を過ぎているケース:法定耐用年数 × 0.2】
22年×0.2=4.4年
一方、新築物件の場合は取得価額は高くなりますが、耐用年数も長くなるため、毎年の減価償却費は相対的に低額にとどまってしまいます。
また、木造の場合は鉄筋コンクリート造りに比べて耐用年数が短く設定されているため、同じ築年数であれば年間の減価償却費の控除額が大きくなります。
さらに、築古物件は物件価格自体が相対的に安価な分、収益性の高い投資になりやすく、節税対策とのシナジー効果が期待できます。
このように、木造で築年数の経過した中古アパートは、大きな減価償却費の控除が可能であり、不動産投資における理想的な節税物件と言えるでしょう。
耐用年数の長い中古マンション
不動産投資における節税対策に適した物件として、耐用年数が比較的長い中古のマンションも挙げられます。
耐用年数が長ければ長いほど、減価償却期間が長期に渡るため、末永く節税効果が得られるからです。
一般的な鉄筋コンクリート造りのマンションの耐用年数は47年とされています。
例えば、耐用年数47年のマンションを築10年で取得した場合、下記の計算式に当てはめると、残り39年間で減価償却費として経費処理できることになります。
【法定耐用年数が残っているケース:(法定耐用年数 - 経過年数)+経過年数× 0.2】
(47年-10年)+10年×0.2=42年
さらに、老朽化の進んだマンション物件は取得価額自体が低廉になりがちなので、収益性も高く投資として魅力的です。
このように、中古で耐用年数の長いマンションは、長期にわたって減価償却費を確保できるため、不動産投資の節税対策に適した選択肢と言えるでしょう。
不動産投資で節税に向いていない物件
逆に、以下の物件は節税のための不動産投資には向いていない物件といえます。
新築の区分マンション(ワンルーム)
新築の区分所有型マンション、特にワンルームタイプの物件は、不動産投資における節税対策に向いていない物件と言えます。
なぜなら、高額な取得価格に比べて減価償却費の控除額が小さく、節税できる金額が投資資金に見合っていないためです。
区分マンションの多くは鉄筋コンクリート造りで、法定の耐用年数は47年と長期にわたります。
例えば、取得価格5,000円のワンルームマンションで、この金額を耐用年数47年(償却率0.022)で割ると、
年間の減価償却費は110万円しかなく、節税効果は限定的です。
加えて、新築物件は高額な取得価格分を賄うため、家賃収入が不足しがちで投資採算が取りにくいケースも多くあります。
節税対策とは別に、投資自体の収益性にも課題が残ります。
このように、新築の区分マンション、特にワンルームタイプは、高価格と限定的な減価償却費による節税効果の低さから、
節税対策における投資不動産としては避けるべき選択肢と言えるでしょう。
節税のポイント
ここからは、不動産投資における節税のポイントをいくつかご紹介します。
経費計上をして節税効果のシミュレーションを行う
不動産投資による節税対策を適切に行うためには、物件購入の前に様々な経費を計上し、
それによる節税効果額を詳細にシミュレーションすることが重要です。
主な経費計上項目としては、減価償却費、修繕費、借入金利息、管理費用、管理会社への費用、租税公課などがあげられます。
特に、大きな節税効果が期待できる減価償却費については、物件ごとに取得価額、法定耐用年数などを正確に押さえ、適正な計算を行う必要があります。
また、収入面の家賃収入見込みや、空室割合なども慎重に検討する必要があります。
経費や収入を過大、過小に見積もれば、実際の節税効果額を的確に算出できなくなるためです。
これらの経費収入予測をベースに、課税対象所得の計算、適用税率、控除額などを入力し、具体的な節税額の試算を行います。
さらに、法人成りの場合の法人税額との比較なども行い、最適な節税対策の選択を検討します。
特に高額な投資となる大型物件の場合、節税効果額は大きくなる半面、リスクも高まります。
そのため、シミュレーションを複数パターン行い、リスクとリターンを十分に見極める必要があります。
このように、入念な経費計上と適正な節税効果額の試算は、不動産投資の意思決定における極めて重要なプロセスと言えるでしょう。
事前のシミュレーションを怠ると、期待外れの結果に終わる可能性も高まります。
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不動産投資・マンションを賃貸に出す場合における節税対策を最大限に活かすためには、「青色申告」を行うことが重要になります。
青色申告を選択することで、より多くの経費を算入でき、課税対象所得額を圧縮できるためです。
不動産投資における節税の観点から、青色申告と白色申告を比較すると、青色申告には多くの優位性があります。
まず、青色申告では複式簿記に基づく帳簿を作成し、貸借対照表および損益計算書を提出することで、最大65万円の特別控除を受けることができます。
単式簿記の場合でも10万円の控除が受けられる点も見逃せません。
これに対して、白色申告にはこのような特典はありません。
さらに、青色申告では不動産所得で生じた赤字を翌年以降3年間にわたって繰り越し、他の所得から控除することができます。
この損失の繰越控除は大きな節税効果をもたらしますが、白色申告では原則認められていません。
また、青色申告を選択すると30万円未満の資産を購入した場合に、その購入費用を一度に経費として計上できます。
これにより、初期投資を早期に回収しやすくなる利点がありますが、白色申告ではこの即時償却の制度は利用できません。
加えて、青色申告では家族を専従者として雇用し、その給与を経費として計上することができます。
これにより、所得を分散し、税負担を軽減することが可能です。
白色申告の場合、専従者給与を経費に含めることはできません。
その他にも、青色申告を行うことで金融機関からの信頼性が高まり、融資を受けやすくなるという副次的なメリットもあります。
全体として、節税の観点から見ると青色申告は多くの優位性を持っています。
特に特別控除や損失の繰越控除、資産の即時償却、専従者給与の経費算入など、様々な節税メリットがあるため、不動産投資家にとって非常に有利です。
白色申告は記帳が簡便である点が利点ですが、節税効果を最大限に活かすには青色申告が推奨されます。
所得によっては法人化する
不動産投資における節税の観点から、個人事業主ではなく法人化する方が良い場合について説明します。
まず、法人化のメリットとして挙げられるのは、所得税率と法人税率の違いです。
個人事業主の場合、所得税は累進課税であり、所得が増えるほど高い税率が適用され、最高税率は45%になります。
これに対して、法人税率は基本的に一律であり、特に中小企業の場合は税率が低く抑えられていることが多いです。
したがって、高額所得を得ている場合には、法人化することで税率を低く抑えることが可能になります。
中小法人の場合、法人税率は通常23.2%ですが、年間所得が800万円以下の部分については15%の軽減税率が適用されます。
加えて、法人住民税や事業税が課されますが、個人の最高税率と比べると相対的に低い水準に抑えられます。
具体例: 課税所得が1,000万円の場合
・個人事業主が1,000万円の所得を得た場合、累進課税により高い税率が適用され、合計の所得税額は約176万円になります。
これに加えて住民税も課されるため、税負担はさらに大きくなります。
1,000万円×33%-153.6万円(控除額)=176.4万円
一方、法人化した場合、同じ1,000万円の所得でも以下のように税額が計算されます。
まず、法人税の軽減税率を適用して、最初の800万円に対しては15%の法人税が課されます。
800万円 × 15% = 120万円
残りの200万円に対しては23.2%の法人税が課されます。
200万円 × 23.2% = 46.4万円
合計の法人税は120万円 + 46.4万円 = 166.4万円となります。
この他に法人住民税や事業税が加算されるものの、個人事業主の所得税と比較しても税負担は軽減される可能性があります。
法人化するにも費用が発生するため、一概にはいくらからとは言えませんが、
所得が1,000万円を超えるあたりを目安として、検討してみても良いでしょう。
不動産投資による節税の注意点
最後に、不動産投資による節税の注意点を確認しましょう。
年収によっては節税効果が低い
不動産投資による節税効果は、納税者の年収水準によって大きく異なります。
年収が低いほど、節税額自体が限定的になってしまう傾向にあります。
所得税の最高税率は年間課税所得金額4,000万円超から45%となりますが、年収が500万円程度の水準であれば、確定申告時の各種控除後の課税対象所得は400万円程度にとどまります。
この場合、適用される所得税率は20%程度と低めになります。
つまり、100万円の経費を控除しても、節税額は20万円程度と限定的です。
この節税額では、不動産投資に伴う種々の手数料、管理費用などの実質的な負担を十分に賄えない可能性があります。
不動産投資は一定の節税効果が期待できる反面、年収水準が低すぎると節税メリットを享受できない場合もあり、投資自体のリスクが高まってしまいます。
したがって、年収の低い納税者においては、不動産投資による節税対策は必ずしも得策とは言えず、投資の是非を慎重に検討する必要があるでしょう。
入居率が悪いと収益性が悪くなる
不動産投資において、物件の入居率が収益性に大きな影響を与えることは言うまでもありません。
特に節税目的で不動産投資を行う場合、入居率の低下は収益性を著しく悪化させる要因となります。
まず、入居率が低下すると、家賃収入が減少します。
家賃収入は不動産投資の主要な収益源であり、その減少は直ちにキャッシュフローの悪化を引き起こします。
キャッシュフローが悪化すると、ローン返済や物件の維持管理に必要な費用を賄うことが難しくなり、経営が圧迫される可能性があります。
さらに、入居率の低下は空室期間の増加を意味します。
空室が続くと、その間の管理費や固定資産税、修繕費などの固定費は変わらず発生し続けますが、これらの費用を家賃収入でカバーすることができなくなります。
この結果、純利益は減少し、収益性は大幅に低下します。
加えて、物件の空室が増えると、物件の魅力が低下するリスクもあります。
空室が多い物件は、潜在的な入居者に対して「人気がない物件」と映る可能性があり、さらなる入居率の低下を招く悪循環に陥ることがあります。
このような状況は、将来的な賃料引き下げやリフォーム・リノベーションの必要性を生じさせ、追加のコストを伴うことも考えられます。
もちろん、節税の観点から見ても入居率の低下は問題です。
例えば、青色申告の特典を最大限に活用するためには、一定の収益を確保することが前提となります。
入居率の低下により収益が減少すると、控除額が減少し、節税効果が薄れる可能性があります。
このように、不動産投資において入居率の低下は収益性を著しく損なう要因となります。
したがって、物件の選定時には立地や物件の質、管理体制などを十分に検討し、入居率を高く維持するための戦略を立てることが重要です。
また、定期的なメンテナンスやリノベーション、入居者ニーズに対応したサービスの提供など、入居率向上のための施策を継続的に実施することも不可欠です。
安定した入居率を維持することで、収益性を確保し、節税効果を最大限に引き出すことが可能になります。
不動産投資は長期的な視点で収益を考えることが重要であり、そのためには入居率の維持・向上が鍵となります。
売却すると譲渡所得が発生する
節税目的で不動産投資を行う際には、物件の売却に伴って譲渡所得が発生する点に注意が必要です。
譲渡所得とは、不動産を売却した際に得られる利益のことで、この利益には所得税および住民税が課されます。
このため、節税を目的としていても、売却時に想定外の税負担が発生する可能性があります。
まず、譲渡所得の計算方法について理解しておくことが重要です。
・譲渡所得は、「譲渡収入金額」から「取得費」と「譲渡費用」を差し引いた金額です。
・取得費には、購入時の物件価格や仲介手数料、登記費用などが含まれます。
・譲渡費用には、売却時の仲介手数料や広告費用などが含まれます。
これらの費用を差し引いた後の金額が譲渡所得となります。
次に、譲渡所得に対する税率は物件の所有期間によって異なります。
所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」として高い税率が適用され、所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」として低い税率が適用されます。
このため、物件の所有期間によって売却タイミングを検討することが重要です。
例えば、5年未満での売却は高い税負担を伴うため、可能であれば5年以上所有してから売却することで節税効果を得られます。
また、譲渡所得には特別控除も適用される場合があります。
自宅を売却する際には、3,000万円の特別控除が受けられるケースがありますが、投資用不動産には適用されません。
しかし、一定の条件を満たすことで、特別控除を受けられる場合もあるため、事前に確認しておくことが重要です。
物件の売却を検討する際には、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。
複雑な税制や最適な売却タイミングの判断には専門的な知識が必要です。
専門家のアドバイスを受けることで、節税効果を最大限に引き出しながら、適切な売却計画を立てることができるでしょう。
長期保有すると節税効果が低くなる
節税目的で不動産投資を行う際には、物件を長期保有すると節税効果が低くなる可能性があることを注意しなければなりません。
まず、節税効果の大きな要素である減価償却ですが、物件を購入した際の減価償却費は、物件の購入価格を一定の期間にわたって経費として計上することで、所得税や住民税の負担を軽減する役割を果たします。
しかし、減価償却期間が終わると、この経費計上ができなくなり、結果として課税所得が増加します。
次に、物件の修繕費や維持管理費が増加する点にも注意が必要です。
物件が老朽化するにつれて修繕費が増えますが、これらの費用も経費として計上できるものの、長期的には物件の価値が減少し、収益が低下するリスクがあります。
また、頻繁な修繕やメンテナンス費用が累積すると、キャッシュフローに悪影響を及ぼし、節税効果を相殺する可能性があります。
さらに、賃料の変動リスクも長期保有のデメリットです。
不動産市場の変動や地域の人気の低下により、賃料が下落すると家賃収入が減少し、所得が減少します。
所得が減少すると節税の効果も限定的となり、税負担が相対的に大きく感じられることになります。
これらの点を考慮すると、節税効果を最大化するためには、物件を長期間保有するだけでなく、適切な売却タイミングを見極めることが重要です。
市場の状況や物件の状態を定期的に見直し、必要に応じて売却や他の投資へ資金を移動する戦略を取ることで、効果的に節税を図ることができます。